こんにちは、エグゼクティブコーチの野中祥平(のなさん)です。今日は「毎週土曜日に内省を続けて10年以上!」という私自身の習慣について、少しシェアしたいと思います。「内省」というと、なんだかストイックで真面目なイメージを持たれる方もいるかもしれません。でも実際は、まったく苦痛はなくて、むしろ“やらないと気持ち悪い”くらい自然に身体にしみついた習慣なんです。「忙しいのに、わざわざ内省って必要なの?」「経営者はロジカルに数字とKPIを追っていれば十分じゃないの?」そんな声が聞こえてきそうですが、実は私自身、数年前までは「数字とタスク管理さえ完了すればOK」と信じていたタイプでした。ところが振り返ってみると、数字だけの計画だと、どうしても“次のステージ”を見落とす瞬間があるんですよね。私にとって「自分との対話時間を持つ」ことは、ブレを修正しながら、より深く“自分が本当に望む経営”を作っていくための大切なステップです。この記事では、私が毎週土曜日にやっている内省のポイント内省を続けることで、経営や働き方がどう変わるのかを“5つのコツ”としてまとめました。もしあなたが「毎日が忙しくて、内省なんてやるヒマない…」と思っているなら、逆にチャンスかもしれません。ちょっとした工夫で、思いもよらない“自分の本質”に気づくきっかけが得られるかもしれません。ぜひ最後まで読んでみてくださいね。スリーセンテンス要約まとめ「内省」は、ロジカル思考の補完として、自分の感情・違和感・本質的な望みを整理する格好の機会。毎週5分〜30分でも続ければ、“やらないと落ち着かない”くらいの習慣になり、次のステージを見据えた経営判断がしやすくなる。音声入力やAIツールを活用すれば、短時間でも深い気づきを得られ、自分に合ったスタイルでストレスなく続けられる。「数字だけ追うと、心がついていかない」――経験から学んだこと私が「毎週土曜の内省」を始めたのは、実はひとつの“モヤモヤ感”がきっかけでした。ビジネスプランをきちっと立てて、目標を数字に落とし込み、KPIに分解して…というロジカルな組み立ては得意でしたし、それなりに成果も出していました。でも、心のどこかで「これだけでは何かが足りない」と感じていたんですよね。実は、その違和感こそが“内省習慣”を続ける大きな理由になりました。振り返ってみると、経営で壁にぶつかったとき、たいていは「自分の本音・気づきが置き去りになっていた」んです。数字は順調でも、どこか停滞感がある…その時こそ、じっくり自分に向き合うべきタイミング。そして、ひとたび内省で心の声をキャッチすると、経営や働き方の方向性が一気に加速することが多かったんです。そこで、私は自分を“クライアントの一人”だと思って、あえて「週1回、内省タイムをがっつり確保する」ことを始めました。最初は30分程度だったのが、慣れると1時間、気づけば2000〜3000文字くらいメモを書くのが当たり前になっていました。こうして10年以上経った今でも、毎週土曜日は自分と対話する大切な時間になっています。ちなみに、実際に毎週作ってるメモはこんな感じです。(ロジカルに整理するというよりは、気づきをメモして、翌週以降のワクワクや種まきを考えているって感じで取り組んでます。)「5つのコツ」で内省を最強の習慣にでは具体的に、どんなステップを踏めば「内省」を無理なく続けられるのか?ここからは、私が10年以上の試行錯誤の中でたどり着いた5つのポイントをお伝えします。内省の5つのコツ概要1. 内省する項目をざっくり決めておく2. とにかく“スピード重視”で気楽に書く(誤字脱字OK)3. 感情や違和感こそ宝物!「頭で整理しすぎない」4. 信頼できる人にシェアして、フィードバックをもらう5. 「いい気分」で取り組む仕掛けを作るそれぞれの詳細は以下の通りです。1. 内省する項目をざっくり決めておくまず最初に、「どんなことを振り返るか?」をざっくりでもいいので決めておくと、内省がスムーズに進みます。(クライアントさんにもだいたい、この3つの項目を振り返るといいですよとお伝えしています。一番大事なのは、気づき、違和感、直感といった感情を含む情報をメモすること)できたこと/できなかったこと違和感を感じたこと、気づきがあったこと次の1週間や1ヶ月で試してみたいことこのあたりの“カテゴリ”を先に用意しておくと、「何を書けばいいかわからない…」という事態を防げます。もちろん、書いているうちに横道に逸れるのもアリ。むしろ脱線から面白いアイデアが出ることもあるので、最初に大まかな方向性だけ決めて、あとは自由に書き流すイメージがいいですね。こんな感じでスタート!カテゴリ1:今週見つけた“良かったこと”カテゴリ2:どこかで抱いた違和感やモヤモヤカテゴリ3:今後に向けて種まきしておきたいアイデア始めの5分はカテゴリ1、次の5分はカテゴリ2…と時間を区切って書くのも効果的。“じぶん企画会議”のような感覚で、楽しくアウトプットできるようになります。2. とにかく“スピード重視”で気楽に書く(誤字脱字OK)内省は「質より量」で攻めるのが続けるコツです。わざわざ美しい文章を作ろうとしなくてもいいし、誤字脱字があっても全然OK。音声入力が使えるなら、スマホに5分だけバーッとしゃべって文字起こしさせてみるのもいいですよね。ポイントは、「完璧にしようとしない」こと。私も手帳時代、ノート時代、音声入力の時代……いろいろ試しましたが、いまはPCでパチパチ打つのが気分。でも文章構成なんて気にしません。タイピングに慣れているから、勢いで入力して「あとで読み返して修正したくなったら修正する」くらいのラフさです。実は「最初の3行で行き詰まっちゃう」方も多いんですが、これは“書き方のルール”を厳格にしすぎているせい。パッと頭に浮かんだことをそのまま書くのが一番楽。スピードを優先して、ノイズも含め全部吐き出しちゃいましょう。こういうデトックス効果もあると思います。3. 感情や違和感こそ宝物!「頭で整理しすぎない」多くの人が「内省=事実ベースで振り返る」と思っていますが、私が大切にしているのはむしろ「感情」や「違和感」。「なんかここ変だな…」「ちょっと気持ち悪い」「これ、面白い気がするんだけど…」この“言語化しにくい何か”こそ、次の大きなアイデアや経営判断を変えるヒントになります。「仕事でトラブルがあった」とか「締め切りに間に合わなかった」といった事実も大事ですが、それに対して「自分がどう感じたか?」をしっかり言葉にしておくと、心の動きをより深くつかめるようになるんです。私もよく「心の声」がネガティブ方向に傾いているときがあります。「あのプロジェクト、頑張ったわりにしっくりこない…なんでだろう?」「本当はやりたい方向性は別にあるんじゃ…?」こういった違和感を書き出しておくと、後日読み返したときに「あ、あの時から芽生えていた想いなんだ!」と再発見することがよくあります。AI時代ではありますが、本当に自分だけがキャッチできる微細な“心の揺れ”こそ、人間らしいオリジナリティだと思います。4. 信頼できる人にシェアして、フィードバックをもらう内省は一人で完結してもOKですが、できるならばメンターやコーチにシェアするのもおすすめです。私自身、クライアントさんには「週1の振り返りを共有すること」推奨しています。推奨している理由は、一人でまとまらない頭の中身も、他者との“対話”を通して整理が進み、思いがけない気づきが生まれるし、人に伝えようとすることで言語化しやすくなるからです。たとえば、「最近、あるプロジェクトに乗り気じゃない」ことをシェアしたとします。それを後日コーチングで話す時に、「振り返りに記載していたあれって、実は○○したいって意味では?」などとそこに触れながらセッションをすることも多いです。信頼できる第三者から何かしらフィードバックをもらうことで、気づきを見失わずに、育てて、見直すことがしやすくなることがメリットです。自分の中だけでゴチャゴチャ考えるより、誰かにぶつける方が思考がクリアになる。まさにコーチングのエッセンスですよね。もちろん、共有相手はコーチでなくても構いません。信頼できる仲間、家族、メンターでもOK。(ですが、なんでもシェアできるのは守秘義務を守ってくれる相手、つまりお金を払っている対人支援業の人になってくるのかな、、、とは思います。)大事なのは「何でも話していい」と思える安全な相手と対話の場をつくること。経営者ほど孤独になりがちなので、意識的に“壁打ち相手”を持つと、内省の効果が何倍にもアップすると感じます。5. 「いい気分」で取り組む仕掛けを作る内省って、気合いを入れてデスクに向かわなきゃいけないものじゃありません。好きな音楽をかけながらハーブティー片手にホッと一息つきながらカフェや自然豊かな場所で、リラックスしながら自分が心地よいと思える環境を整えて、軽い気持ちで書き始めるだけでOK。最初は習慣になっていないからこそ、「少しでも楽しくできる工夫を入れる」ことが大切です。私も「今日はお気に入りのジャズ音楽を流そう」「気分のあがるカフェでやろう」というだけで集中度が上がったりします。結局、“気楽に継続できる”かが大事です。一度内省の楽しさを味わうと、「あ、すごく気分がスッキリした!」とか「意外なアイデアが出た!」という成功体験が湧いてきて、やらないと落ち着かない状態になっていきますよ。そもそも、どうして“経営者”に内省が大事なの?「内省自体はメンバー層もマネジメント層も必要だけど、経営層こそ【心の成長】の伸びしろが大きい」と、私自身は思っています。なぜなら、経営の舵取りは「自分の心の在り方」がモロに数字や組織に影響を与えるから。ロジカルな計画を立てるだけでなく、自分の腹の底からワクワクし、ブレない“信念”を持つことが、事業をグンと引き上げる原動力になるんですよね。ところが、経営者ほど多忙で「自分と向き合う時間」を後回しにしがち。会議スタッフ対応新規案件の検討勉強会やセミナー登壇…こうして日々のタスクに追われていると、いつしか「自分は何のために経営してるんだっけ?」という感覚が霞んでしまいます。だからこそ、週に1回でもいいから「自分との対話時間」を確保する。特に私は土曜日がおすすめですが、「平日夜でも朝活でも、時間を決めてやりやすいなら何曜日でもいい」と思っています。大事なのは「やらない理由より、やる方法」を先に決めて、決行すること。「もう内省せずにはいられない!」くらいになったら、次のステージへのスイッチは自然に入ります。まとめ:内省が加速させる“心の成長”が、経営にブレイクスルーを起こすここまで読んで、「なるほど。心の声や違和感を見逃さないためにも、内省って大事なんだな」と少しでも思っていただけたら嬉しいです。毎週土曜に内省を続けている私が、いちばん実感しているのは、やり方は何でもいい。続けるほどに“やめられなくなる”気持ちに余裕が生まれ、新しいアイデアや発想が出やすくなる違和感に敏感になり、“次のアクション”を素早く選べるようになるという3点です。経営は「未来を創る仕事」とも言えますよね。数字や過去データだけでは描けない“これからの可能性”を切り開くためにも、心の中を整理する習慣は大きな武器になるはずです。「え、10年以上も続けるなんて無理…」と思うかもしれませんが、最初は5分の音声入力からでも十分。だまされたと思って、ちょっと試してみてください。この記事が、あなたが“自分だけの答え”を見つけるきっかけになれば嬉しいです。もし興味があれば、一度あなた自身のペースで“内省”を試してみてくださいね。P.S.人により内省の楽しみ方はかなり違うだろうなという仮説があります。TODO整理をロジカルにするのが楽しい人もいれば、気持ちの整理をするのが楽しい人もいれば、未来の種まきを考えるのが楽しい人もいる。過去を振り返るのが楽しい人もいれば、未来を想像するのが楽しい人もいる。ツールも手帳、ノート、PC、スマホ、音声入力、AIなど何がしっくりくるかもかなり違う。僕もいろいろ試してきましたが、途中で辞めたくなったりめんどくさくなる時は、意識があってないか、やり方があってないかどちらかなので、いろいろ実験してみてください。ちなみに、ライフログ需要で手帳の売上が上がってるなんて話も聞きますし、自分と向き合ったりすることの楽しさを発見しつつある人は世の中全体では増えてるのかな〜なんて思ってます。P.S.S.私のクライアントさんの中には、「PLAUD Notepin」というAIボイスレコーダーを活用して5分ほど“しゃべるだけ内省”を実践されている方もいます。すると音声を録音した時点でAIが項目を整理&要約してくれるので、「時間がないから内省できない」という言い訳がほぼ消えるんですよね。移動中やちょっとしたスキマ時間でも「自分との対話」が成立しちゃう時代になりました。忙しい経営者こそ、「いまはAIに手伝ってもらおう!」くらいの割り切りでOKだと思います。ツールやデバイスをうまく使えば、机もノートもペンもいらない。自分なりの“やりやすい”方法を見つけて、できるところから一歩踏み出す。それだけで日々の気づきが確実に積み重なっていきますよ。(👇ちなみに、こーゆーAIボイスレコーダーです。2024年12月に買ってから、僕も毎日使ってます。)おすすめ記事なぜ経営者は『ロジカル思考だけ』だと行き詰まりやすいのか?経営者が自己犠牲マインドを手放した先にある「静かな、るんるんモード」って何?『なぜ私は4年間、コーチングで「遊びの時間」を大切にしているのか ー 経営者の意思決定力を高める意外な習慣』停滞感気味な経営者必見!実は大きな飛躍の前に起こる2つのパターンとは?