【メンタルケア】人生で繰り返す「苦労するシナリオ」を、たった1時間で手放す方法こんにちは、エグゼクティブコーチの、野中(のなさん)です。今日のテーマは「繰り返す『苦労するシナリオ』をたった1時間で手放す方法」です。経営者として日々走っていると、こんなことはありませんか?いつも同じような苦労を繰り返している何かと背負い込みすぎて、自分だけが疲弊している周囲も順調そうなのに、自分だけ「苦労しなきゃ落ち着かない…」と感じている「なんで私だけこんなトラブルに!?」なぜか自己犠牲的なイベントが発生する実はこれ、「本当は自分の潜在意識が望んでいるシナリオ」なのかもしれません。一見、そんなバカなと思うかもしれませんが、心理学やコーチングの視点では「過去に刷り込んだ思い込み」や「当時の自分に必要だった設定」が、今になっても“当たり前”として残っているケースが多いんです。本記事では、「なぜ同じ苦労を自分で引き寄せるのか」や「いまのフェーズではもう不要な設定を、勇気を持って外すにはどうすればいいのか」という視点をQ&A形式で紹介します。そのうえで、以前書いた「過去の自分への手紙ワーク」が、実はこういう方にもおすすめなんですよ、という新しい切り口をお伝えしたいと思います。※今回の話は、経営者に限らず、起業家、インフルエンサー、ビジネスリーダー全般に通用する話なので、「モヤモヤを抱えがち」「苦労しなきゃ成功できないと思い込みやすい」人に読んでもらえたらと思います。Q1. そもそも「苦労するシナリオを自分で望んでいる」って、どういうこと?A: これは、「自分の潜在意識が、あえて苦労の感情を体験したがっている」という考え方です。たとえば、幼少期や学生時代に「苦労が報われた」「苦労しない人は成功しない」というエピソードが強烈に刻まれると、「苦労するほうが都合がいい」設定を潜在意識が握っている場合があるんですね。苦労=充実感の証拠苦労しなければ得られない快感苦しんでこそ、自分は認められるこうした設定を自分で“チェック”してしまい、日々の行動や選択を無意識にそこへ寄せてしまうんです。結果、いつも苦労続きでバタバタ…だけど、それが「慣れ親しんだ居場所」になっていたりする。本質的には「今の私にはもうそのハードル設定は必要ないかも」と気づくチャンスなのに、ずっと“チェックしたまま”だと抜け出せないんですよね。Q2. 「当時は必要だったかも」というのはどういう意味?A: 過去を振り返ると、その時期の自分にとっては“苦労するシナリオ”が必要だったケースが多いんです。たとえば、学生時代、周囲の個性的な人に負けないように、自分は『まとめ役』で頑張るしかなかった厳しい家庭環境で、親に褒められるには頑張って努力しないといけなかった体育会系の部活で、競争して、人に勝たないと生き残れなかった初めての仕事で結果を出すために必死に頑張り、その必死さが評価されたこういう体験があると、当時の自分は「苦労する → 結果を出す → 認められる → 安心!」というロジックを確立してしまいます。あの頃は確かに生き延びるのに必要だったかもしれません。でも、いまはどうでしょう? 経営者として実績を積んできたあなたにとって、「苦労していないと落ち着かない」モードが本当に必須なのか? 実はもういらないのに、昔の設定を“オン”にしっぱなしで走っていませんか?Q3. 具体的に「自分で引き寄せる」ってどんな感じ?A: たとえばこんな例があります:わざわざハードルが高い選択肢ばかり選ぶもっと楽な方法や外注の手段があるのに、あえて「自分で全部やる」を選択してしまう。ギリギリまで放置してから一気に頑張る追い込まれたほうが達成感があると感じ、あえてテンパる状況を作り出す。他人の期待に全力で応え、“苦労すればするほど価値がある”と思い込む期待されていなくても「私がやります!」と背負い込み、余計にしんどくなる。ロジカルには説明ができない、大トラブル・病気や事故、モヤモヤする謎のイベントが発生する普通こんなことこんなタイミングで起きないよね!?なんで私にこんなことが発生する!?という自分の感情を揺さぶるような出来事が発生。※特に、4が発生した時、それはもう「神様がこの出来事をきっかけに何か軌道修正したほうがいいよって、言ってくれてるんじゃないか?!」みたいに内省できるかどうかで大きな分かれ道になったりします。だって、ロジカルに説明できないくらいのことですから。こうした行動パターンは、意識上では「仕方ないんだよ、誰もやってくれないし…」「これは仕事だから…」と思っているかもしれません。でも実は“苦労しないと満たされないから、無意識に苦労を望む行動をとっている”可能性が高いんですね。Q4. それは過去の私には役立ったけど、今の私は違うかも…と思ったら?A: まずは「私、今もその設定をオンにしているんだな」と気づくことが大切です。意外なほど、「苦労しなければダメ」「苦労しないと認められない」というルールが昔のまま残っている人は多いんですよ。だけど、経営者として経験を積んだいまのあなたには、もうこの設定はいらないかもしれない。『いまの人生においては、そこまで苦労しなくても良いかもしれない』『むしろもっと楽しむモードでもいいんだよね』そうやって、自分で“チェックを外す”ことにOKを出すイメージ。これが「苦労シナリオ卒業」の第一歩です。野中さんが、「苦労の初期設定」を外していった実例は?実は私、大学生の頃に『苦労して、人の期待に応える』という設定を強烈にオンにしてしまいました。当時、慶應大学「SFC(環境情報学部)」という、慶應大学の中でも、海外留学経験や個性的な人が集まる大学に入学しました。まわりの友人は個性派だらけで、アイデアがわんさか出る中、自分には何も特徴がない気がしたんです。入学当初、大いなる絶望感、無力感を感じました。しかし、そんな中でも、そこで「個性的な人たちが意見が食い違っている場面を整理する」「全体の目的や前提を見直し、会議の方向性を整える」ことで自分の居場所を確保するようになりました。そこで人の役に立てたのが嬉しかったんです。当時、その体験が私の成長に必要だったのは確かです。でも大人になってからも、このクセが良くも悪くも残ってしまいました。 社長の期待やクライアントの要望に必死に合わせるあまり、自分の内側で「本当はこうしたいのに…」という声をずっと封じ込めていたんですよね。結果、忙しさとストレスに追い込まれる展開を、むしろ“自分が好んで”引き寄せていました。僕の場合「この繰り返し、他人の期待にこたえようとしすぎて自己犠牲的になったり、必要以上に苦労する」シナリオに気づき、手放すことができたのは2020年1月からコーチングを受けたことがきっかけでした。(実際話していたことはこの記事で詳しく解説しています。)当時、上場企業の執行役員として、買収した赤字事業をいかに収益化させるか?と向き合っていました。当初は、「いかに課題を解決するか?」なんてモードで動いていましたが、コーチングを受けるうちに「もしも楽々営利10億達成できていたとしたらどんな自分になっているときか?」なんてテーマで話すときがありました。そこで、「それって、野中自身が生き生きワクワクして経営できてて、得意に集中して、周りを頼って、みんなで成長しているときだよね。それって必死に苦労してっていう世界観じゃない方がむしろそっちにいきやすいよね!」と気づくことができました。自分が苦労をしょいこんだり、目先の課題をモグラ叩きしたくなる個性やシナリオに気づき、それを手放していけたのは、コーチが「またそのパターンになってるよ」と指摘してくれたり、「もっと楽々達成しているとしたらどんな感じだと思う?」と別の未来のシナリオをイメージさせてくれたおかげだったんです。Q5. 「過去の手紙ワーク」が、こういう繰り返す苦労ケースにもおすすめなの?A: そうなんです。「過去の手紙ワーク」については以前の記事(こちら)で詳しく書きましたが、“同じ苦労を繰り返すけど、もう卒業したい”とか、“昔の私には必要だったシナリオだけど、今は外してOKかも”と感じた方にもすごくおすすめです。なぜなら、いま目の前の苦労だけを対症療法的に解決しても、根本にある“設定”を見直さないと、また似たような苦労を自分で引き起こしちゃうかもしれないから。特に、人間関係での繰り返すマイナス感情とか、仕事における繰り返す苦労パターンというのは、根本の設定を見直さないと、かなり高確率で違う形で遭遇することになります。(低いエネルギーのままでいると、自分のエネルギーを下げるイベントが起こります。手放して自分のエネルギーを高くいると、そういう古いエネルギーにより戻してくるイベントには出会いにくくなります)ワークで当時の自分を振り返ると、「ああ、あの時はこう感じていたから、あれ以外の選択肢が見えなかったんだ」という過程が腑に落ちます。そして「もうこの設定はいらない」と自分に許可を与えることで、意外なほどすんなり苦労のループから抜け出せる人も多いんです。Q6. 具体的にはどうすれば設定を外せる?A: おすすめのステップを簡単にまとめると:「私、この苦労シナリオを自ら引き寄せているかも」と疑う毎回仕事がパンク寸前になる、毎回人間関係で疲れ果てる…など、“なぜか繰り返す状況”は要チェック。「過去の手紙ワーク」で原点を見つめるいつごろ、どんな形で“苦労こそ安心”とか“他人の期待に合わせるほうが安全”と学習したのか。 当時の自分に「よく頑張ってたね。でももう大丈夫だよ」と書き出す。「新しい設定に切り替える」宣言をする「苦労しなくても成果は出せる」「人の期待がなくても私は価値ある」「好きな方法でやっていい」など、自分が選びたい新ルールを言葉にする。行動を変えてみる具体的に休みを増やす、誰かに任せる、簡単な方法を試すなど。“楽をする”ことに罪悪感があっても、あえてやってみると「意外とイケるじゃん!」と気づくはず。この最後の“行動”が大事で、頭で分かっていても身体が慣れていないと、結局また苦労に走っちゃいます。だからこそ、小さな行動からでOKです。少しずつ新しいパターンを取り入れていくと、脳や潜在意識に「もう苦労シナリオじゃなくてもいいんだ」とすり込まれていきます。僕自身が「過去の自分へのお手紙ワーク」を実践してみた時は、大学生当時の不安や孤独な気持ちが強く出てきて、「ああ、あのときの自分は“人の期待に応える”以外の選択肢を知らなかったんだ」と理解できたんです。すると今度は、「それは当時の自分には必要だったけど、今の私はもっと自由に発想していいはず」と気づけた。そこから“他人の期待に左右される”シナリオを少しずつ外し、むしろ自分の提案や新しい挑戦を楽しむようになりました。Q7. 設定を外すと、どんな未来が待っている?A: 一言で言えば、「本当にやりたいことに集中する余白が生まれる」未来です。私自身、先ほどのエピソードでもお話ししたように、昔は“人の期待に応える”ばかりで自分の声がかき消されていました。でもそこを外したら、「自分のユニークな発想や探究心を活かしたい」「苦労ではなく、楽しむことから生み出せる成果があるんじゃないか」「責任感は重いと思い込んでいたけど、【責任で遊ぶ】という責任感があるからこそ楽しめる経営があるんじゃないか」という新しい選択肢が見えたんですよね。実際になんでも抱えがちだった僕は、2020年コーチングを受け始めて、その設定に気づいて、上手に社長を頼ることができるようになりました。例えば、「自分で頑張るのは無理だから、他部署からマネージャーください!」と社長に相談することができるようになったり。小さなアクションに見えるかもしれませんが、自分がもっと生き生きワクワクして経営することに許可を出せると、今まで封印していた選択肢が身近に存在することに気づきやすくなります。いろんな前提を疑い、違う人生をスタートしやすくなるんです。Q8. 「苦労シナリオを外す」と言っても、なんだか後ろめたい…ていうかできるのそんなこと?A: そう感じる方は多いです。私も一瞬「こんなに楽していいのか?」と罪悪感が芽生えました(笑)。でも、ここで思い出してほしいのが、「当時は必要だったけど今は不要になった設定なんだ」という視点です。“必要だった時期”に感謝をしつつ、もう卒業してもいいですよ、と許可を出すんですね。「苦労があるからこそ強くなれた」 → お疲れさま、よく頑張った「でも今の私には、そこまで苦労しなくてもできる術があるし、他の可能性もあるよね」 → 新しい設定に切り替えるここを自分の中ではっきり区別できると、後ろめたさよりもワクワクが勝つようになってきます。Q9. 結局、こういう“苦労シナリオ”を生きている人はどんな人? お手紙ワークは誰におすすめ?A: 下記のような方がピンとくるはずです:毎回同じ苦労に巻き込まれる(人間関係、仕事の進め方など)「苦労しないと結果が出せない」と心のどこかで思い込んでいる人の期待や評価に応え続け、気づけば自分が疲弊する楽な道や幸せを味わうことに罪悪感があるもし「私、まさにそうかも…」と感じたら、ぜひ一度「過去の手紙ワーク」を試してみてください。いろんな形の“同じ苦労”を引き寄せていた根源が見えてくるかもしれません。また、セッションなどで専門家と一緒に振り返ると、*「なるほど、そこでその設定をオンにしてたのか…」*と深く腑に落ちやすいです。まとめ:「苦労シナリオ卒業」は、未来への加速装置まとめます。当時は“苦労”が必要だった → 今の自分にはもう不要かもしれない自分で選んだ「苦労する設定」を、いったん*“オフ”*にしてみるその手放しをサポートしてくれるのが「過去の手紙ワーク」私たちは、生きていくうちに数多くの“設定”を自分でオンにしています。ですが、いまのフェーズに合わない設定を外し、新しい設定を入れ直すと、想像以上に視野が広がり、行動のエネルギーが軽やかになるんです。90年代、2000年代、2010年代、2020年代、いずれもテクノロジーも社会通念も何もかもが変わってます。今はChatGPTなどのAIと融合することで何もかもが軽やかにやりやすくなっていく時代です。でも、設定が古いままだと「AIなんて使ったって結局、そんなに変わらないよ」なんて古いシナリオを生き続ける可能性があります。スマホは当たり前になりました、SNSも当たり前になりました、時代の流れは変わっていて、いろんな前提、常識は変わります。日本は成熟社会で、ゴリゴリビジネスしていく「ゾス」的な猛烈スタイルで苦労しないと成果が手に入らない時代ではもうないんです。過去の設定に気づかないままだと、時代とズレていきます。自分の本質を見つめ直し、過去の設定を積極的に見つめ直して、新しい設定にしていきましょう。そこにこのお手紙ワークという体験が必ず役に立ちますのでやってみてくださいね。「苦労しないと成功できない」 という思い込みから「もっと楽しく、ワクワクしながら成果を出していい」 という新設定へこう切り替えられたとき、経営のスピードも人生の自由度もぐんとアップしていく。苦労に引き込まれるループから抜け出せたときこそ、あなたの真の強みやクリエイティビティが解放される瞬間です。PS:当時の自分に「ありがとう」と言って、これからの自分に「OK」を出す最後に強調したいのは、“苦労シナリオ”が悪だったわけじゃないということ。過去のどこかで、あなたを守ってきた、成長させてくれた大事なパターンです。まずはそこに「ありがとう」と伝えてみてください。(過去のねばねばした執着の中から、光だけ取り出すイメージ)でも、いまのフェーズではもう要らないかもしれない。そこで設定を手放し、新しい生き方を選択するのが経営コーチングが目指す「次のフェーズ」への飛躍なんです。もし繰り返しの苦労やモヤモヤに気づいたなら、過去の手紙ワークを試してみるのも一手。まさに「設定を外す」ための準備運動になるはずです。ぜひ、自分の中で「もういいよね、これ」をいっぱい手放して、“10倍加速”であなたらしい経営と人生を楽しんでくださいね!おすすめ記事2025年・新時代のリーダー論「経営者メンタル3.0」とは?〜愛情、感謝、調和がキーワード〜【メンタルケア】マイナス感情に揺さぶられてしまう経営者さんに「過去の自分への手紙」をおすすめする3つの理由とは?【音声】「前年比◎%成長にとらわれて、自分を見失う」エグゼクティブコーチRADIO/経営者あるある#002