【導入編】感性だけに頼らない!経営者向け「ニーズ×マーケ調査」超入門ガイド──セルフ式アンケートでPDCAを加速させる方法こんにちは、エグゼクティブコーチの野中祥平(のなさん)です。今日は「調査データ」をいかに経営に使うか?というテーマの導入編としてお話をしていきます!セットで読むのがおすすめ↓【応用編】感性派経営者必見!“データ”があればアイデアは何倍も輝く──ニーズ調査・マーケ調査をフル活用する5ステップ【はじめに】「直感には自信がある。でも客観的データがない…」「自分の感性が正しいか確かめたいけど、どうやって数字を集めればいい?」「新規事業のヒントや、提案資料づくりで使えるデータが欲しい…」こんな声をよく耳にします。私たち経営者は、ときに大胆な決断が求められますよね。優れた“感性”や“直感”は大きな武器になるのですが、それだけに頼るのはハイリスクだったりします。特に、新サービスを始めようとしたときや既存事業の“強み”を再発見したいときには、感覚とデータの両方をバランスよく活用することが大切です。そこでぜひ活用したいのが、「ニーズ調査」や「マーケ調査」といった「アンケート調査」。「いや、調査なんて大掛かりでしょ?」「費用も時間もかかるんじゃ?」と思う方もいるかもしれません。ですが、セルフ式のアンケートサービスとAIの力を使えば、1日や2日で必要なデータをサクッと集められる時代になりました。本記事では、私が“経営×コーチング”の現場で感じてきた「感性+ロジックの融合」の重要性を踏まえつつ、ニーズ調査とマーケ調査の違いやセルフ式ツールの使い方、さらにPDCAを回す実践的ポイントなどをQ&A形式で解説していきます。経営者の皆さんが「なるほど、こんなやり方があったのか!」と気づき、より説得力のあるビジネスアイデアや提案資料を作り出せるようになることを願っています。【Q&A形式でわかる!「ニーズ調査×マーケ調査」徹底入門】Q1. そもそも「ニーズ調査」と「マーケ調査」って何が違うの?A1. 「ニーズ調査」は、ユーザーや顧客の実態や潜在的なニーズを発掘するための調査です。新規事業や新サービスを考える際、感性だけでは見えない部分を可視化し、「本当に求められているポイントはどこか?」を探るのに役立ちます。たとえば、新しい相談サービスを始めたいから、どんな悩みや条件で利用を検討するのかを知りたい既存の顧客データにはない切り口(「週に◯回以上○○を利用する人だけ」に深掘りするなど)を把握したい想定顧客のプロフィール(性別・年齢層・ライフスタイル)に合ったニーズを改めて把握したいというケースに使うイメージです。一方「マーケ調査」は、世の中に向けてアピールしたい時に使うデータ作りの意味合いが強いです。たとえばプレスリリースや提案資料を作るときに、「世間の◯割がこんな意識を持っています」「◯歳女性の約60%が△△と答えています」というデータを打ち出すことで*“数字のインパクト”*を得るわけですね。ニーズ調査 ⇒ 内向きの情報収集(事業開発やサービス改善に必要)マーケ調査 ⇒ 外向きの情報発信(プレスリリースや提案資料、広告宣伝に必要)と整理するとわかりやすいでしょう。実際には両者の境界は曖昧な場合も多いのですが、「まずは内側の事業アイデアを固めるのか?」「外へ向けてPRしたいのか?」という目的を明確にするのが大事です。Q2. 調査会社に頼むと費用が高いイメージが…セルフ式って本当に安く早くできる?A2. 結論から言うと、セルフ式(セルフアンケートツール)なら最短1日で数千~数千人分の回答が集まることも珍しくありません。費用は設問数や回収サンプル数にもよりますが、調査会社に外注すると数十万円~数百万円かかるケースが多いのに対し、セルフ式では数万円~10万円前後で十分対応できることもあります。ツール例: サーベイロイドなど特徴: 自分でアンケートを設計し、回答者の属性を絞り込み、配信指示を出す。回収データはシステム上ですぐ集計可能。多くのセルフ式ツールでは、スクリーニング調査(たとえば「週に1回以上〇〇を利用している人」だけを抽出する事前調査)を格安料金で使えるプランがあったり、本調査の料金も「回答人数×設問数」など明瞭な計算になっていたりして、調整しやすいんです。もちろん多少の操作習得は必要ですが、アンケートの作成自体は“Webフォーム”感覚です。設問パターンを選び、回答形式(単一回答/複数回答/フリーアンサーなど)を設定する…といった流れは、Googleフォームや社内アンケートを作った経験がある人ならサクサクできるでしょう。Q3. AIと組み合わせるメリットってどんなところにあるの?A3. AIを活用するメリットは、大きく分けて*「設問設計のサポート」と「フリーアンサーの要約」*の2点があります。設問設計のサポート たとえば「AIチャット」に「20代女性に向けて、週1回以上○○を使う人に聞きたいことを整理したい」と相談すると、候補となる質問例を提案してくれます。「それを元にアンケートを組み立てる」だけで結構いい感じに仕上がることがあります。従来、調査設計にはマーケティング知識が必要でしたが、AIはヒントを与えてくれるので初心者でも“そこそこの設問”が作りやすいんです。フリーアンサーの要約 アンケートで「自由記述」を大量にとると、回答数が増えたときに人力で読むのは大変です。そこでAIに「この回答を要約して、ポジティブ意見・ネガティブ意見を分類して」と投げると、短時間で要点を抽出できます。特に感性派の方ほど、「みんなが本音で何を言ってるか?」を把握したいと思うかもしれませんが、AIはその要約をサポートしてくれるので、結果分析がスピーディーに進むわけです。要は、AIを使うと“難しいと思っていた調査設計やテキスト分析”がハードル下がるということ。データの世界に不慣れな経営者こそ、AIで入口をサポートしてもらえると、「意外といけるじゃん!」と感覚を掴みやすくなります。Q4. ニーズ調査とマーケ調査、それぞれ設問設計に違いはあるの?A4. はい、微妙にアプローチが異なります。ざっくり言うと…ニーズ調査:深掘り重視具体的な利用頻度や困りごとの度合いなどを細かく聞きたい「どんなシチュエーションで不便を感じるか?」といったオープン回答を多めに取りたい回答者の属性をより厳密に絞って(例:子育て中の30代既婚女性で週3回以上SNSを使う人)深掘りすることが多いマーケ調査:見せたいデータを想定*プレスリリースや資料でアピールしたい“数字の切り口”*をあらかじめ想定しやすい「◯割の人が△△と回答」「年代別比較で△△に差がある」といった見出しを作りやすい設問シングル/マルチ回答が中心で、クロス集計を想定したシンプル設計にするケースが多いもちろん、実際には「ニーズ調査」でも数字をメインにするときはあるし、「マーケ調査」でもフリーアンサーをとる場合もあります。*違いは「最終的に誰に向けて活用したいデータか」*という目的を先に設定すること。目的が定まっているほど、設問設計がぶれずに作りやすいです。Q5. 調査結果は具体的にどう活かせばいい? ただ数字を集めるだけになりそうで不安…A5. 「数字を集めたけれど、放置してしまう」パターンはもったいないですよね。せっかく回答を取ったら、アクションに繋げることが大切です。主な活用方法を挙げると、以下のようなものがあります。新規事業のサービスコンセプト固め「ユーザーが何を大事にしているか」をアンケートで定量的に把握し、サービスのUSP(独自の強み)を明確化する「あえて外したほうがいい機能」「絶対に入れたほうがいい機能」が見えてくることも提案資料や営業資料に盛り込む「約6割のユーザーが、このポイントで悩んでいる」という数字があると根拠が一気に強化される感性や勘だけではなく「実際に○○人へ調査しました」という裏付け付きの提案が可能になるプレスリリースや広告クリエイティブでアピール世の中の興味を引きやすいテーマを調査して、結果を分かりやすいグラフやインフォグラフィックスにして発信メディアやSNSでの話題づくりにつなげられるLPやWebサイトの信頼度アップ具体的な数値が載っていると「きちんと調べている会社だ」という印象を与えやすい“見せ方”を工夫すると、自社サイトのコンバージョンを高める材料にもなるここでのポイントは、得られたデータが「事業のどのフェーズ」に使えそうかを意識すること。たとえば新規事業なら「対象層の潜在需要の有無を確認」、既存事業のPRなら「数字で裏打ちされたストーリーテリング」を展開…など、調査目的に応じて“出口”を決めておくと、数字を眠らせずに済みます。Q6. PDCAサイクルを回すうえで、調査はどんなタイミングで行うと効果的?A6. PDCAの観点から見ると、調査は*「Plan(計画)」と「Check(検証)」の両方で使う*イメージです。Plan(計画)段階 新しい施策・事業プランを立てる際に「本当にそのターゲットは必要としてる?」「どれぐらいの割合が購入意欲ありそう?」を調査で確認すると、机上の空論にならずに済む。→ ここで活きるのが「ニーズ調査」的な視点。Check(検証)段階 実際にサービスやキャンペーンを実施した後、どんな反応が得られたかをセルフ式アンケートで素早くチェックする。→ これによって「○○が好評だった」「××は期待ほど響かなかった」といった事実がわかり、次のActionに反映できる。いきなり大掛かりな調査を年に1回やるよりも、こまめに小さい単位で「検証→改善」を回すほうが、結果的に事業のスピードやクオリティが上がる場合が多いです。セルフ式アンケートはその“こまめなサイクル”にうってつけ。月に1回や季節ごとなど、少なくとも年2~4回くらいはデータ取りをしている会社も少なくありません。Q7. 感性派の経営者だけど、数字をとると自分の“ひらめき”が損なわれないか心配…A7. 実は、“感性派”の人ほどデータが味方になるケースが多いんです。なぜなら、感性が鋭い方は直観で「多分こうだろう」と感じられる力が強い。一方、周囲にそのアイデアを納得させるときに数字の裏付けがあると、一気に説得力や実現力が高まります。さらにデータを集めてみると、「あれ? 自分の予想と少し違う?」という意外な発見があるかもしれません。ネガティブに捉えず、「こんな隠れたニーズがあるんだ」「自分が当初想定していたターゲットとは別の層も興味を持っている」と前向きに活かすことで、感性×ロジックの相乗効果を得やすくなります。特に“直感派”の方はデータが上手くいったら、「ほらね、私の感覚当たってた!」という自信に、もし違ったら「新しい洞察が得られた!」という学びに。どちらに転んでもメリットになるのがデータ活用の面白さです。Q8. 調査設計のときに知っておくと良い「テクニック」や「落とし穴」はある?A8. 以下のポイントを押さえておくと、より“使える”データが得やすくなると思います。対象者の絞り込み(セグメンテーション)を慎重にたとえば「20代女性」に聞きたいなら、「20~29歳」で一括りにせず、20~24歳、25~29歳など細かく区切って回答数を均等に集めると、年代差が見えやすい子育ての有無など“実態に大きく影響する要素”は先に決めて絞っておくスクリーニング調査で無駄を省く「○○経験がある人だけ後から本調査に進む」方式にすることで、余計なサンプルに費用をかけずに済むスクリーニングで広く聞いて、興味深い層を抽出し、本調査で深掘りする質問の選択肢を少し工夫する“ある or ない”の2択だけだとデータがパキッと割れすぎる「よくある/ときどきある/1度だけある/全くない」と段階を設けると、*「1度でもある人は◯%」*といったまとめ方ができ、数字にインパクトを持たせやすいフリーアンサーを入れるなら“意図”を明確に何となく自由記述を増やしすぎると分析が大変。特に初心者は2~3問に絞るのが良いAIで要約する前提なら大量でもいいが、「その後どう使うか?」を考えて本当に必要な項目だけ聞く“自社に都合のいい数字”だけを切り出しすぎないもちろんマーケ調査ではアピール材料を作りたいけれど、客観性が損なわれると信頼度も下がる不利な結果も含めて分析し、自社の課題を再確認する姿勢が大切これらを意識して設計すると、*後から「やり直したい…」*となるリスクが減り、費用や時間のロスを防ぎやすいです。失敗したくない場合は、小さめのスクリーニング調査→結果を踏まえて本調査という手順がおすすめですね。Q9. 経営者として、具体的に最初の一歩はどう踏み出せばいい?A9. 初めてのアンケート調査なら、次のステップで進めてみてください。目的を明確にするニーズ調査なのか、マーケ調査なのか得たいデータをどう活かすのか(新規事業の検証? 提案資料? プレスリリース?)セルフ式ツールを選ぶサーベイロイドなど、無料登録できるものを試してみる料金体系や回答者数の上限を確認ざっくり設問をつくる(AIに相談してもOK)「誰に・何を・どう聞くか」だけでもメモしてみるAIに「調査設計のアイデア出し」を手伝ってもらうテスト配信 or スクリーニングを小規模で行う最初に300~500人程度へ送ってみて、集計画面や回答傾向を確認設問の誤字や回答率の低い項目があれば修正本調査を実施、分析→活用回収したらすぐに「GTC集計」「クロス集計」「フリーアンサー要約」でデータを整理“提案資料”や“リリース原稿”に反映してみるこの流れを1回でも体験すれば、「あ、意外と手間じゃないんだ!」と掴めるはずです。特に経営者ご自身が忙しいなら、*チームのメンバーに操作を覚えてもらい、“チェックだけ経営者がやる”*という形でも良いでしょう。そうすればPDCAのたびに「とりあえず調査してみよう」と気軽に回しやすくなります。【まとめ:感性とデータの“いいとこ取り”で経営はもっと加速する】アンケート調査はかつて、「大手調査会社へ高い費用を払って、1回きりの大規模リサーチを依頼する」というイメージが強かったかもしれません。でも、今やセルフ式ツールとAIの登場で、小回りのきく調査があっという間に行える時代。感性の鋭い経営者ほど「ニーズ調査」で潜在的なユーザーの本音をつかみ、「マーケ調査」で魅力的な数字を発信することで、新規事業や既存事業の提案力を一気に高めることができます。「この企画はイケる気がするけど…客観的な裏付けが欲しい」「提案資料にもう一押しの“数字の説得力”を加えたい」「従来とは違う層にもリーチしたいから、本当にニーズあるか確かめたい」そんなシーンで、ぜひセルフ式アンケートを試してみてください。短時間で大量の声を拾い上げられる体験は、きっと“データと感性の融合”を実感できるはずです。P.S.私が以前経営していた、美容SNSメディア「MimiTV」では定点調査をうまく活用していました。調査していた項目としては「美容の情報収集を何でしていますか?」と幅広く聞くアンケートでした。当初は「若い女性が見てるのはインスタとYOUTUBEでしょ?」と思っていたのですが、「意外とTwitterを見てる人が多い!」ということに調査をすることで気づけました。2018年の5月から、半年ごとに定点調査をしていたことで、「Twitterはユーザー側が盛り上がっているのに、ちゃんと運営している美容メディアは少ないし、まだ美容ブランドも本格的に投資してないからチャンスだ!」と経営戦略として、Twitterに注力していこうという意思決定ができました。結果的にTwitterジャパンと業務提携したり、一緒にウェビナーをしたりして、業界全体をもりあげながら事業展開することができました。“感性”だけに頼らない分析が功を奏した形ですね。(チーム全体でみたら、調査、研究資質がある人が僕以外にはおらずだったので、僕自身が調査設計し、調査入稿し、集計し、パワポに落とし込むということをしていました。)P.S.S.もし「操作を覚えるのが大変そう…」と感じたら、最初だけ外部のサポートを頼るのも選択肢です。実は*“どんな質問をすればいいか”こそが一番大事で、そこは経験や知見がある人に伴走してもらえると非常にスムーズ。ただ、AIがあることで調査票は格段に作りやすい時代になりました。一度フローを作ってしまえば、PDCAサイクルを何度でも高速回転できます。セルフ式アンケートは“調査会社に依存しなくても、データを気軽に取れる”仕組みなので、経営者としてはぜひ身につけたい武器の一つ。AI時代こそ、感性×数字の両立があなたのビジネスを加速させる大きなカギになっていくでしょう。おすすめ記事なぜ経営者は『ロジカル思考だけ』だと行き詰まりやすいのか?経営者が自己犠牲マインドを手放した先にある「静かな、るんるんモード」って何?『なぜ私は4年間、コーチングで「遊びの時間」を大切にしているのか ー 経営者の意思決定力を高める意外な習慣』停滞感気味な経営者必見!実は大きな飛躍の前に起こる2つのパターンとは?