こんにちは、エグゼクティブコーチの野中祥平(のなさん)です。今日のテーマは「これさえやっておけばOK」という意識で課題を遠ざけようとすればするほど、繰り返しトラブルが起きるというお話です。%3Cstyle%3E%20.standfm-embed-iframe%20%7B%20height%3A%20190px%3B%20%7D%20%40media%20only%20screen%20and%20(max-device-width%3A%20480px)%20%7B%20.standfm-embed-iframe%20%7B%20height%3A%20230px%3B%20%7D%20%7D%20%3C%2Fstyle%3E%0A%20%20%20%20%20%20%20%20%20%20%20%20%3Ciframe%20src%3D%22https%3A%2F%2Fstand.fm%2Fembed%2Fepisodes%2F681c0019aad276a2863e8347%22%20class%3D%22standfm-embed-iframe%22%20width%3D%22100%25%22%20frameborder%3D%220%22%20allowtransparency%3D%22true%22%20allow%3D%22encrypted-media%22%3E%3C%2Fiframe%3E経営者の皆さんは、日々さまざまな課題に直面していると思います。お金を払って解決する、人に頼んで解決する、外部の人材に依頼するなど、いろいろな方法で課題解決を図ろうとされているでしょう。しかし、「なんか面倒くさいな」「このことで悩みたくないな」という意識で課題を遠ざけようとすると、逆に繰り返しトラブルが起きたり、より大きな問題に発展したりすることがあります。今回は、この現象について私自身の失敗経験も交えながら、どのように課題と向き合うべきかをお伝えしたいと思います。スリーセンテンス要約課題を「面倒くさい」と遠ざけようとして目先の対処だけを行うと、より大きなトラブルや問題が繰り返し発生する傾向がある。課題が出てきたのは自分や組織の成長のためであり、そこから学ぶべきことや気づくべきことがあるという視点に立つことが重要。「今が最善」「ベストなことがベストなタイミングで起きている」「この現実を作り出すことを実は望んでいた自分もいる」という3つの視点を持つことで、課題への向き合い方が変わり、根本的な解決につながる。Q1. なぜ課題を遠ざけようとするとトラブルが繰り返し起きるの?A: これは私自身の失敗経験からお話ししますと、以前、組織問題で悩んでいたときのことです。当時、組織の問題に悩んでいて、「この問題から手を放して、もっと事業開発やプロダクト開発、商品開発の方に注力したい」と思っていました。忙しかったこともあり、「マネージャーを設置して、この組織問題を手放していけるといいな」と考え、新任のマネージャーを置きました。しかし、本当はマネージャーを設置しただけではなく、マネージャーの育成にもっと力を入れるべきだったのです。それができなかったために、より組織問題が増えてしまったり、全体のバランスが崩れやすくなるという結果になりました。これはまさに「組織問題を手放したい、面倒くさい、マネージャーを設置すればこの問題から遠ざけられるんじゃないか」という目先の対処をした結果、より大きな組織問題が目の前にやってきて、否応なくそれと向き合わなければならなくなった典型的なパターンです。この話を聞くと「そんなの未熟すぎる」と思うかもしれませんが、実際には経営のさまざまな場面で似たようなことが起こり得るのです。「面倒くさい」というエネルギーを放出した結果、より面倒くさいことが返ってくる…これは経営においてよくある現象なのです。Q2. 課題とはどのように向き合うべき?A: 目の前に課題が出てきたということは、その課題と向き合い、乗り越えることによって、自分も成長できるし、会社も成長できるし、組織も成長できるということなんです。大切なのは「この課題が起きた意味は何だろう?」「この課題から学ぶべきことは何だろう?」といった質問を自分に投げかけることです。そして、自分のあり方、組織のあり方、会社のあり方を見直すきっかけにするという視点を持つことです。単に「面倒くさいからお金を払って何とかしてもらおう」「とにかく面倒くさいから誰かにやってもらおう」という意識では、課題と向き合っていないことになります。課題と向き合わずにお金や外部リソースで何とかしようとすると、もっと何かを気づかせるために別の問題がやってくることが、会社経営ではよくあるのです。本当に対処すべきことは、「どのようにこの課題を解決すべきか」ではなく、「どのようにあり方を見直すべきか」というFATの部分だと私は考えています。例えば、業務フローに問題があったせいでトラブルが起こったとしましょう。このトラブルが起こったからこそ、業務フローの問題に気づけるのであって、表面化してくれた課題やトラブルは消すものでも遠ざけるものでもなく、ありがたみを持って受け止めるべきものなのです。「この課題が出てきてくれたからこそ、もっと良いフローにできるな」「もっと良いフローにできればみんなが働きやすくなるな」「お客様にもご迷惑をかけにくくなるな」「より良い未来に近づくな」と考えられれば、課題は「伸びしろ」であり、むしろチャンスとさえ思えるようになります。そういう姿勢があれば、「面倒くさい」というエネルギーを放出することなく、課題と前向きに向き合えるようになるのです。Q3. 繰り返し課題が起きるとき、どう考えると良いの?A: 組織問題や案件トラブル、会社の問題、人事の問題など、繰り返し課題が起きているとき、「自分に何かを気づかせるためにわざわざ起きているんじゃないか」と考えてみましょう。そのために役立つ3つの視点をお伝えします。1. 今が最善と思うこれは私がよく言っていることですが、課題が今のタイミングで起きて、この課題とちゃんと向き合い、成長できたとしたら、未来から見たときに「あのときあのトラブルが起きてベストだった」と振り返ることができるはずです。未来から見たら今起きていることがベストだと思える未来が絶対にあるはずなのだから、今この繰り返し起きるトラブルによって、自分が気づくべきこと、学ぶべきことと出会えているのは、「ベストなタイミングでベストなことが起きている」と決めるのです。この姿勢、考え方があると、トラブルや課題が出てきたときに、軽い気持ちで捉え直しやすくなったり、楽な気持ちで向き合いやすくなったりします。2. ベストなことがベストなタイミングで起きていると思う今起きていることが「ベストなことがベストなタイミングで起きている」とすれば、「自分は何を学ぶときなのだろう?」「自分は何を軌道修正するときなのだろう?」「どんなふうにこの課題にありがたいと思っている未来があるのだろう?」と考えることができます。そう考えることで、違う解釈ができたり、違う行動ができたり、違う改善ができたりするはずです。これは「課題を遠ざけよう」として「面倒くさい」気持ちでお金で何とかしようとか、「これさえやっておけばOK」という目先の対処を次々とモグラたたきのようにやっていく考え方とは大きく異なります。もしかしたら少しスピリチュアル的な視点かもしれませんが、「神様が何かこの課題から教えてくれていることがあるとしたら何だろう?」という「神様視点」で捉えると、新しいアイデアが開きやすくなる人もいるかもしれません。3. この現実を作り出して、のめり込むことを実は望んでいた自分もいるんじゃないかと考えてみる課題が起きると、マイナス感情に揺さぶられ、悩むという一連の流れがありますが、俯瞰してみると、実は「悩みたい」という潜在意識があって、悩むために目の前の現実を作り出しているという捉え方もできます。例えば、悩むことによるメリットとして、「動かないで済む」「新しいことをやらないで済む」「新しい人に会わないで済む」「お金を使わないで済む」などがあるかもしれません。そこに気づくと「もしかしてこんな悩みって自分の潜在意識が実は望んでいることなんじゃないか?」「こうやって悩みにのめり込むという体験を、実は作り出したいと思っていた自分もいるんじゃないか?」と俯瞰することができるようになります。私自身の経験を振り返ると、「人の役に立ちたい」という気持ちが強く、「人の役に立っていないと自分には価値がない」という思い込みがありました。そうすると悩んでいる人が目の前にいた方が、相手の役に立てると感じていたので、無意識のうちに「悩む相手」や「悩む自分」を作り出し、それを解決することで有能感を得たいという思いがあったのかもしれません。そういう「もしかしたらそれを望んでいた自分も昔いたのかもしれない」と俯瞰できると、過去の意識と、これから未来に作っていきたい意識は別物だと理解できます。過去の「悩みたかった自分」や「悩みにのめり込む体験をしたかった自分」を手放して切り離し、「もうそういう時代はそういう時代であったかもしれないけど、これからは違う時代、違う物語を生きていい」という許可を自分に出すことができるようになります。まとめ:課題との向き合い方を変える3つの視点「課題を遠ざけようとすればするほど、繰り返しトラブルが起きる」という現象に対して、3つの視点をシェアしました。今が最善と思うベストなことがベストなタイミングで起きていると思うこの現実を作り出して、のめり込むことを実は望んでいた自分もいると考えてみる少し抽象的な話や意識の話になりましたが、「もしかして私の繰り返しているトラブルって、自分のマインドやあり方が試され続けているのかもしれない」と捉え直すきっかけになれば嬉しいです。「今が最善」という捉え方ができていなかったり、トラブルを遠ざけようとして何かお金で解決しようとしたりしたことが直近あったとしても、「もうちょっとちゃんと自分が向き合おうとしたらどういうふうに向き合うことができるだろう?」と考え直してみるのも良いと思います。PS:課題こそが成長のきっかけ経営者として日々多くの課題に直面すると、時にそれらを「消すべき問題」として捉えがちです。しかし、私自身の経験から言えることは、本当の成長は課題から逃げずに向き合ったときにこそ起こるということ。マネージャー設置の失敗を通じて学んだように、表面的な解決策ではなく、自分自身や組織のあり方を問い直す姿勢が、長期的には最も効果的な問題解決につながります。「面倒だからとりあえず対処しておこう」という思考パターンに気づいたら、それは成長のチャンスかもしれません。課題を敵ではなく、味方として受け入れる勇気を持ちましょう。そこから生まれる気づきが、あなたと組織を新たなステージへと導いてくれるはずです。