こんにちは、元上場企業役員・エグゼクティブコーチの野中祥平です。M&Aした赤字事業を5年で売上1億→10億に成長させた経営経験を元に、事業と組織の両面から中小・ベンチャー企業の経営者・No.2・一人社長のサポートをしています。社員を増やしたのに、相談も確認も全部自分に戻ってくる。そんな経営者の方へ、今日は私自身の抱え込みの経験と、コーチングを使って任せ方を変えていった過程をお話しします。 同じように悩んでいる方が、ご自身の状況を考えるヒントになったら嬉しいです。私も「最後は自分がやればいい」で、仕事を抱えていました私は上場企業のトレンダーズ株式会社で、2023年まで執行役員として事業を統括していました。担当していたのは、美容SNSメディアMimiTV(現在MimiBeauty)。M&A後の事業再建から、商品開発、営業、組織づくりまで関わってきました。赤字事業を何とかしたい。社員も忙しそうだから、広告の設定くらい自分がやればいい。そうやって一つずつ拾っていくと、目の前の仕事は片づいても、事業の未来を考える時間がなくなっていきました。2020年1月から、まいまいさんのコーチングを受け始めました。最初から「自己犠牲をやめよう」としていたのではありません。その時々の組織の問題を話し、次に誰へ何を相談するかを決め、実際に動いてみる。まずは、その繰り返しでした。そのうち、半年後に誰がどこまで担っていたらよいかを考え、小さな仕事から渡して育てるようになりました。「任せるべき」という正論が増えたのではなく、自分の組織でどう任せるかが具体的になったことが、私には大きかったんです。ここからは、その経験を、いま社長へ確認が集中している場面に重ねて考えます。仕事量より先に、判断が戻る場所を見る作業・確認・意思決定を分ける「忙しい」を一つの箱に入れたままだと、全部を誰かに渡したくなります。まず直近一週間に戻ってきた仕事を、三つに分けてみてください。・作業:入力、資料作成、設定など、手を動かす仕事。・確認:決められた条件に合っているかを確かめる仕事。・意思決定:複数の選択肢から、責任を持って選ぶ仕事。たとえば資料作成は任せられていても、誰に提案するか、どこまで値引きするか、今月はどの案件を優先するかが決まっていなければ、相談は戻ってきます。資料を作る人を増やすだけでは、この往復は残ります。逆に、経営上の責任を伴う判断まで一気に渡せばよいわけでもありません。本人に必要な情報が届いていない、判断する権限がない、失敗したときの相談先がない。それでは「自分で考えて」と言われても動けません。戻ってくる相談には、相手の能力以外の理由もあります。採用を増やしても残る保留事項ここで確かめたいのは、「誰が悪いか」より「何がまだ決まっていないか」です。期待する成果なのか、本人が決めてよい範囲なのか、困ったときの相談先なのか。あるいは、自分が相手のやり方を受け入れる準備なのか。私がコーチングで話していたのも、「もっと任せましょう」という一般論だけではありませんでした。他部署からマネージャーに入ってもらうこと、自分が攻めに集中できる体制、個々の人材をどう育てていくか。事業の未来から逆算して、今の抱え方を変える話を重ねていました。「自分でやれば今日は早い」は、その日の判断として正しいこともあります。ただ、半年後も同じ仕事を自分が抱えているとしたらどうでしょう。今週の効率と、半年後に目指す組織が食い違っている。そのズレに気づけると、教える時間や相談する時間の意味が変わります。社長が次の一手を決められる対話今週動かす課題と、今は扱わない課題頭の中にある課題を、いきなり一つの「組織改革」にまとめなくて大丈夫です。むしろ、「営業責任者へどこまで任せるか」「新規事業の検討時間をどう確保するか」「あのメンバーと何を話すか」と、別々の問いとして出してみる方が扱いやすくなります。私は、経営者の違和感や迷いを聞きながら、その場で言葉や論点を可視化しています。話したことが目の前に並ぶと、「全部が緊急だと思っていたけれど、先に決めるのはこれだ」と見えてくることがあります。経営課題TOP5という考え方も、五つを無理に埋めるためではありません。気になっていることの全体を見たうえで、今動かしたい重要課題に焦点を合わせるためのものです。安全や資金など急ぎの対応が必要な問題を後回しにせず、中長期の課題も日々の火消しに埋もれさせない。その両方を見ます。優先順位を決めるときは、重要度だけでなく、止まっている理由も見ます。判断材料が足りないなら、調べる人と期限を決める。関係者の合意がないなら、まず話す場をつくる。自分がためらっているなら、何を失いそうで怖いのかを言葉にする。同じ「未着手」でも、次の一歩は違います。誰と何を合意するかまで具体化するここからは、私の経験をもとにした整理の例です。実在するお客様の記録ではありません。「営業を任せる」という課題があるなら、まず「来週、営業責任者と、本人が判断できる案件の範囲を話す」まで小さくします。その場で売上責任をすべて渡す必要はありません。既存顧客への提案から始めるのか、新規案件も含めるのか。どの判断には事前相談が必要か。次に振り返るのはいつか。この順で確かめます。大事なのは、相手の合意を抜きに担当を決めないことです。セッションの中で決めた担当や期限は、社内での約束が成立したこととは違います。本人の考えや負荷を聞き、現実に動く条件に直す。その対話も含めて、次の行動を考えます。任せることと、相手の成長を一緒に考える私が避けたかったのは、自分の時間を空けるために仕事を一気に渡し、相手が苦しくなって、結局また戻ってくる状態でした。だから、小さな仕事を渡しながら、半年後にはどこまで任せられるかという階段を考えるようになりました。たとえば次の会議で意見が欲しいなら、その場で突然聞くのではなく、事前に考えてほしい問いを渡す。相手が自分なりの案を持ってこられるようにする。こうした関わり方は、私自身がコーチングを受ける中で変わっていった部分です。もちろん、対話ですべての人員不足や業務過多が解消するわけではありません。採用や業務改善、専門家の支援が必要なら、それを選べる状態にすることも大切です。コーチングで扱いたいのは、何が必要なのかを整理し、経営者本人が納得して動かせる状態です。一人で整理するときの三つの問い今日、十分だけ使うなら、次の問いから始めてみてください。・今週、自分に戻ってきた判断は何だったか。・その判断が戻る理由は、情報・権限・経験・自分の不安のどこにありそうか。・来週、誰と何を話せば、戻り方を一つ変えられそうか。完璧な組織図を作らなくても、一つの判断の戻り方が変われば、そこから次の課題が見えてきます。反対に、何度整理しても同じところで止まるなら、その止まり方自体を相談のテーマにできます。確認が減ったかより、判断が育ったかを見る一度任せて、社長への連絡が減ったとしても、それだけで成功とは限りません。担当者が困っていても黙っている可能性があるからです。振り返りでは、本人が何を判断し、どこで迷い、どの情報が役立ったかを聞いてみます。相談が必要な場面で相談できていることも、任せられる状態の一部です。反対に、最初は相談が増えることもあります。判断の理由を一緒に確かめる時間が必要だからです。その相談が、毎回同じ確認なのか、本人の考えを持った相談へ変わっているのかを見ます。単純な件数だけでは、変化を捉えきれません。YouTubeでも、コーチと一緒に実体験を話しています「AI時代のコーチングラジオ」では、私と、2020年から私のコーチを務めるまいまいさんが、受け手側の実体験も交えて話しています。今回のテーマが気になった方には、「自己犠牲的な経営から、任せて育てる経営へ」の回も参考になると思います。対話の雰囲気や、言葉になるまでのやりとりも、ぜひ聴いてみてください。%3Ciframe%20width%3D%221280%22%20height%3D%22720%22%20src%3D%22https%3A%2F%2Fwww.youtube.com%2Fembed%2FmwcughmO7kU%22%20frameborder%3D%220%22%20allow%3D%22accelerometer%3B%20autoplay%3B%20encrypted-media%3B%20gyroscope%3B%20picture-in-picture%22%20allowfullscreen%3D%22%22%3E%3C%2Fiframe%3Eこの回で話していること・仕事を抱え込んでいた頃の自分・コーチと考えた、半年先の任せ方・人に頼り、自分の可能性も育てる変化未解決の経営課題を、次の一歩へ私は、中小・ベンチャー企業の経営者・No.2・一人社長の「未解決の経営課題TOP5」を見える化し、「任せ方・育て方・動かし方」まで決めて、実行速度を10倍にするエグゼクティブコーチングを提供しています。私自身が上場企業役員時代にM&A買収した赤字事業を5年で10倍成長させた時、色々な失敗をしました。顧問もコンサルも頼りました。コーチングも受けました。その過程で学んだこと、自己犠牲しがちな自分自身がコーチングを受けて自己変容してきた経験、そして経営者を支援する中で得た気づきや学びをこのブログでシェアしています。同じ苦しみや悩みを知ってショートカットしてもらい、自分の本音や違和感に気づいて軌道修正がしやすい経営に少しでも近づいてもらえたら嬉しいです。経営課題TOP5を、一緒に整理しませんか現在抱えている経営課題TOP5を整理する「エグゼクティブコーチング初回体験セッション」へ、この記事を読んでくださった方限定で無料ご招待しています。毎月5名限定のため、体験してみたい方はぜひお申し込みください。