ウェビナー書き起こし【経営者向け無料ウェビナー「経営事例解説ウェビナー/インナーモチベーション診断を活用して、ストレス1/2&パフォーマンス10倍を実現しよう】こんにちは、エグゼクティブコーチの、野中(のなさん)です。今回は、2025年4月24日(木)に開催した、インナーモチベーション診断1周年記念イベント【経営者向け無料ウェビナー「経営事例解説ウェビナー/インナーモチベーション診断を活用して、ストレス1/2&パフォーマンス10倍を実現しよう】についてダイジェスト版として書き起こし記事をみなさんにシェアします。全部の情報を載せ切れるわけではありませんが、当日視聴いただけなかった方のために、少しでもエッセンスをお届けできていたら幸いです。それではどうぞ!インナーモチベーション診断1周年記念イベント - ストレスを半分に、パフォーマンスを10倍にする方法こんにちは、野中祥平です。今回は「インナーモチベーション診断1周年記念イベント」として、ストレスを半分にし、パフォーマンスを10倍にするための事例解説をお届けします。このウェビナーでは、皆さんが自身の内なる声に気づき、内発的な動機を理解し、それを人生や経営に活かす方法についてお話しします。PART0:前提解説編 本セミナーで学べることとインナーモチベーションとは?今日は、インナーモチベーション診断を活用してストレスを半分にし、パフォーマンスを10倍にするというテーマでお話をしていきます。このイベントは、皆さんが自身の内なる声に気づき、内発的な動機を理解し、それを人生や経営に活かすことを目的としています。まずは、このインナーモチベーション診断とは何かについて簡単に説明しましょう。私たちの動機には「外発的動機」と「内発的動機」があります。外発的動機はお金や数字、責任感、常識などの「やらなきゃ」という感覚に近いエネルギーです。それに対して内発的動機、つまりインナーモチベーションは「やりたい」という気持ち、ついやっちゃうこと、お金を払ってでもやりたいこと、やっていて満たされること、没頭できることなどを指します。インナーモチベーションには21のタイプがあるこのインナーモチベーションには様々なタイプがあります。例えば「雲タイプ」は新しいものを創造したい、ユニークなものを作りたいという欲求があります。「金属タイプ」は整理効率化したい、最適化したいというちょっとロジカル重視系のインナーモチベーションです。こうした内発的動機によって人の本質や欲求をタイプ分けしたのが、このインナーモチベーション診断なのです。最初は17タイプぐらいを想定していましたが、最終的には21タイプになりました。モチベーションが湧きやすい目的が「変化すること」なのか「安定すること」なのかという縦の軸と、エネルギーの源泉が「内から湧いてくる」タイプなのか「外との関わりで沸いてくる」タイプなのかという横の軸で、21個のタイプを作りました。これは2024年4月に作ったもので、土台の作成はChatGPTと対話しながら2日間で行い、その後経営者さんやインフルエンサーさんにヒアリングして完成させました。Q:(開発背景)経営者が元気をなくす本当の理由とは?インナーモチベーション診断を作った背景についてお話しします。いろんな経営者さんやインフルエンサーさんを支援する中で、「なぜ才能や情熱があふれる経営者さんが元気なくなってしまうんだろう」とか、「どうして内なる声が聞こえにくくなっちゃうんだろう」という疑問から、この診断を作りました。いろいろと考える中で気づいたのは、経営者さんが元気がなくなってしまったり、本質からずれてしまうのは「外側に最適化しすぎるとき」だということです。お客様や社員、株主、数字、トレンドなど、自分の外側のことに最適化してきたからこそ、売り上げが立っていたり、会社が成り立っていると思うのですが、そこをやりすぎた結果、自分が何が達成できたら本当に喜びなのか、どうしたらもっとわくわくできるのかという自分の内なる声が全然聞こえなくなってしまい、自分の本質と違う方向に進んでいる人が結構いらっしゃるんですよね。そうしたときに自分の本質や天命を思い出せるようにしてあげたいと思って、この診断を作りました。PART1:メリット編 経営者がインナーモチベーション診断を受けるメリットとは?このパートでは、経営者がインナーモチベーション診断を受けることで得られるメリットについてお話します。端的に言えば、ストレスが半減し、パフォーマンスが10倍になる可能性があるということです。インナーモチベーションを意識すると全体の循環が良くなる経営者が生き生きわくわくすると、その先にはすべてのステークホルダーが感謝や愛情で満たされている状態があると考えています。社員、顧客、株主、パートナー企業、社会、国、地域、そして経営者自身も含めて、すべての登場人物が感謝や愛情で満たされているときこそ、理想的な状態だと思っています。逆に、経営者がイライラしたり、モヤモヤしたり、ストレスが多かったり、自分に感謝できないような自己犠牲的な働き方をしていると、全体のエネルギー循環がよどんできて、何か変なイベントが起きたり、トラブルが起こりやすくなったり、経営が停滞したりします。そうならないように、この診断コンテンツを作っています。雲タイプと金属タイプの特徴とサポート事例具体的なタイプをいくつか紹介しましょう。まず「雲タイプ」です。これは新しいものを創造していきたい、自由な発想で新しいアイディアを生み出すことが得意、流動的で変化に富んだ生き方を好むという特徴があります。この人たちは、点と点を繋いで新しいアイディアを出すのが気持ちいいという感覚があり、パズルを解くような感覚で新しいアイディアを次々と出すのが好きです。ユニークな視点や、今までにない視点を考えるのが好きな人たちです。次に「金属タイプ」です。整理効率化したい、冷静さや効率を重視し、システムや構造を理解して最適化する特徴があります。たまに「サイコパスとか」って言われる人もいますが(僕も言われたことがありますが)、実際にそういう人もいるのかなと思います。論理的な問題解決やリソース管理が得意だったり、システムや構造を理解したり整理したり最適化するのが好きな人たちです。私が支援している方には、直感タイプやクリエイティブが強いタイプの経営者さんが多いので、逆にこの金属タイプが弱い人が結構多いです。このタイプが弱い人は、金属タイプの特性に引っ張られるとすごくエネルギーが低下しやすいんですよね。具体的には、「経営者はこうあるべき」みたいな書籍やYouTube動画を見て、そっちを意識したり、経営塾やマーケティングの数字優先の計画を意識しすぎて、なんか元気がなくなっちゃうとか、頭が動かなくなっちゃうみたいなケースを結構多く見てきました。こういう方には、感情や感覚、イメージが先でよくて、人に説明するときにロジカルを使うぐらいの距離感でこの欲求と向き合ってくださいねとアドバイスすると、すごく元気になったりするケースが多いです。PART2:経営事例編 赤字事業を5年で10倍成長させた時、なぜ自己犠牲型の経営スタイルを手放せたのか?次に、私自身の経営事例をご紹介します。MimiTV(美容のSNSメディア事業)という赤字事業を5年で10倍成長させた時、どのように自己犠牲型の経営スタイルを手放していけたのかについてお話しします。赤字事業から10倍成長へのビフォーアフター私は、トレンダーズという会社でMimiTVという美容SNSメディア事業の買収プロジェクトの責任者をしていました。2018年以前は1億円程度で赤字だった経営状況を、5年で10億円以上の売上に伸ばし、黒字化するという成長を実現しました。SNSのフォロワー数も、70万から560万フォロワーに増やし、Twitterも1.6万フォロワーから43万フォロワーへと20倍以上に伸ばしました。当時、2018年に赤字事業を買収した直後は、「赤字脱却しなきゃ」「投資を回収しなきゃ」という思いがあり、1億円くらいで買収した会社を3年で投資回収するという目標でやっていたのですが、かなり不安や焦りがありました。しかし、2020年以降になると、明るく楽しく柔らかいメンタルに変わっていきました。もちろん業績が良くなってきたからこういうメンタルになれたという側面もありますが、どちらかというと自分のメンタルが変わったことで、途中で停滞せずにどんどん飛躍していけたと捉えています。メンタルの変化と経営スタイルの変革具体的にどう変わったかというと、「重く苦しい」メンタルから「軽く楽しく柔らかい」メンタルになりました。「自分がいかに猛烈に頑張るか」という考え方から、「基本的には周りを活躍させることが大事」という考え方に変わりました。そして「長時間働かないと」という思いから、「自分の遊び心や探究心を解放する」ことに許可を出せるようになりました。当時は8時に出社して23時ごろに帰るような生活で、猛烈に働いていました。しかし、そこから変化していったのです。三つのフェーズで変わっていった経営スタイルこの変化は、大きく3つのフェーズに分けられます。フェーズ1: 自己犠牲的な頑張り(2018-2019年)最初のフェーズでは、赤字脱却のために自己犠牲的な頑張り方をしていて、ロジカルな課題解決の限界を感じていました。このときは「金属タイプ」(整理効率化したい)のロジカルな解決と、「マグマタイプ」(逆境に興奮する、ピンチや逆境を変えてやるという気持ち)が強く出ていました。自己犠牲エピソードとしては、事業統括として責任からくる長時間労働(8時〜23時)があり、土日も含めてめちゃくちゃ稼働していました。また、自分でTwitter広告を200件以上運用するなど、周りをうまく頼れない状態が続いていました。そんな中、転機となる出来事がありました。システムトラブルです。トラブルが発生し、経営報告書を3件連続で出すことになりました。このとき、私の中で何かが崩れる音がしました。当時、赤字脱却のために「儲かることは何でもやろう」という形であるサブサービスをやっていたのですが、「あまり感謝もされないし、そこまで大きい売上でもないし、こんなトラブルも起こしてしまう」と感じ、「感謝されないことはやめた方がいい」と考えるようになりました。このトラブルをきっかけに、そのサブサービスをやめる決断をし、同時に「自分自身が自分に感謝できないような経営スタイル」もやめていかなければと思うようになりました。フェーズ2: コーチングとの出会い(2020年)2020年に入り、コーチングに出会ったことで、自分の遊び心を解放することを許可し始めました。また、人の内面的な成長をサポートするのが好きだということにも気づき始めました。2020年1月からコーチングを受け始め、これが大きな転機となりました。数字意識と責任感で聞こえなくなっていた自分の内なる声が、だんだん聞こえるようになってきたんです。例えば「コロナって本当にピンチじゃなくてチャンスだとしたらどういうときなんだろう」と遊び心を持って考えたり、「何が達成できたら喜びなのか」「制限がなければどうなりたいのか」といったことを考える余白ができてきました。例えば私の本質の一つと思われる「雲タイプ」の特性を活かし、遊び心を解放し始めました。具体的には、ビジュアルで考えることが楽しくなってきたんです。コーチングを受けながら、自分でパワポで資料化したり図解化したりするという「ちょっと変態なコーチングの受け方」をしていました。例えば、「2020年1月は村のような組織だけど、1年後にはお城のような組織にしていきたい」というのをワードで文字だけで考えるのではなく、ビジュアルで一緒に考えていくと楽しくなってきたんです。また、全社会議での発表資料で「ダブルチーズバーガー戦略でいきます」など、キャッチーなワードとイラストで事業戦略を話すというように、面白おかしく発表したくなる自分の心が押さえつけられなくなっていました。数字はもちろん大事だけど、同時に遊び心も解放してもいいんだと、コーチングを受けることで許可できたんです。また、「月タイプ」(内面のサポートがしたい、直感や感情を大事にして変化に柔軟に対応したい)という自分のタイプにも気づきました。コーチングを受けて内省を深めるのがすごく楽しいと感じ、「自分がこんなに変化できたなら、メンバーを活躍させることも好きなんだ」と気づいていきました。当時のコーチとの対話で「2年後に営利10億円を楽々達成できている自分はどんな自分か?」というテーマで話し合った時、「こういうことに集中しているはずだ」と何となく見えてきました。「描いていたい」「組み立てたい」「実験してみたい」「伸ばすためにあれこれ考えたい」「みんなとディスカッションして楽しみたい」といったことが浮かんできたんです。自分の経営スタイルを見直して何に集中すべきかが見えてきて、インナーモチベーションを活かしたストレスの少ない経営スタイル、自分にとっての良い経営スタイルは何なのかを言語化し始めました。内省した結果、「楽々と目標達成するシナリオでも生きていいんだ」と気づいたんです。苦しんで目標達成するのではなく、苦しまない道を選んでもいいと思えるようになりました。フェーズ3: メンバーとのディスカッション(2022年)最後のフェーズ(2022年頃、事業責任者退任前の1年間)では、メンバーとディスカッションしながら研究していく経営スタイルへとさらに進化していきました。特に活かしていたインナーモチベーションは「雷タイプ」(ひらめいたら即行動したい、行動力が高くひらめきに基づいて即座に動き、変化と刺激を求める)でした。これは長期計画にとらわれずに、現場の違和感を吸い上げてどんどんひらめきを形にしていくという動き方です。具体例として、2021年に「Buzzコスメでリップモンスターがバズって売れている」ということを社員が教えてくれた時、これをBuzzコスメを分析しようというのは事業計画になかったのですが、「これ面白いな、Twitterでバズってインスタでも話題になっていて、インフルエンサーがめちゃくちゃ取り上げていて、どこに行っても買えないという流れをもっと言語化したり、プロモーションに活かせるんじゃないか」と思い、チームのメンバーとディスカッションしながらこのひらめきをスピーディーに形にしていきました。ロジカル最優先ではなく、現場ベースのひらめきを形にしていく、スピーディーに形にしていくことが自分の強みだと気づき、周りを頼りながらそういうスタイルで動いていいんだと思えるようになりました。さらに「深海タイプ」(道の世界を探究したい、研究したい)という自分にも気づき、独自の問いを立てて探究・研究することが好きだと気づきました。先ほどのBuzzコスメの例でも、これを徹底的に分析・研究し、どんな人が何ツイートくらいしていて、何ツイートの先に何リツイートくらいされて、それがインスタで何ポストくらいあって、その先に何リーチくらいしているのかなどをエクセルで分析したり、実際に何でどのタイミングでどういうモチベーションでどういうつぶやきがあるのかもメンバーに聞いて資料にまとめました。これは明らかに私の探究心を刺激され、研究して資料に落とし込むという流れができていました。最終的には2020年に年間1000ページ以上のウェビナー資料を作り、それを書籍化するほどの深い研究ができました。誰も立てたことのない問いを立てて探究・研究していくことが自分の経営スタイルでいいんだと気づき、グローバルな経営者を目指して猛烈に頑張るというスタイルではなく、自分らしい経営スタイルで経営していくと元気になれ、パフォーマンスも高く、周りとも協力できると気づいたのが最後の1年でした。自己犠牲から自己解放、そして共創へまとめると、コーチングに出会ってからは「自己解放フェーズ」があり、明るく楽しく強みに集中していくフェーズの2年間があって、最後に「共創フェーズ」があって、周りを頼って自分の本質をさらに追求していくというフェーズがありました。猛烈経営者を目指して心身が疲弊していた時代から、自己犠牲的なものがどんどん減っていき、自分が自分にも感謝できるような経営スタイルになっていきました。この自己解放していくことや周りと調和・共創していくことは、どんな経営者にとっても重要なテーマだと思います。自分が自分に感謝できる、どんな自分でも愛することができる経営者になれば、経営者が全体の循環を濁すことはなくなり、全体の循環が良くなっていくと思います。PART3:ポイント編 自分のインナーモチベーション(内発的動機)を活かすための3つのコツとは?ここまで私の経験をお話してきましたが、最後にインナーモチベーションを活かすための三つのコツをお伝えします。とてもシンプルです。上位5タイプを生かす下位5タイプを避ける周りと協調する一番左の「上位5タイプを生かす」では、得意なことや好きなこと、やっていて満たされることに経営者自身が意識を向けることによって、エネルギーやパフォーマンスがどんどん高くなっていき、疲れにくくなります。真ん中の「下位5タイプを避ける」では、ストレスを感じることやエネルギー消費が激しいことを避けていくことによって、良い状態をキープしやすくなります。コツ1:上位タイプを生かすための具体的な方法私の場合、上位5タイプはこの丸の部分です。2023年以降、コーチングで独立した後、一瞬停滞したことがあったのですが、それは「コーチングセッションだけしていれば幸せだ」と思っていて、自分の「探究していきたい、研究していきたい」という本質を忘れていたからです。今は、コーチングセッションもやりつつ、探究研究活動も両方やる形で活かしています。「月タイプ」(内面変化をサポートしたい)というモチベーション・欲求に関しては、コーチングで活かしています。コーチングは本当に楽しくて、クライアントさんをサポートするのが大好きです。「雷タイプ」「深海タイプ」「雲タイプ」については、例えば雷タイプが強いと長期計画に縛られるとすぐ元気がなくなってしまうので、あまり長期計画を立てないことや、外の刺激を受けるようにすること、家に引きこもらないようにすることを意識しています。また、インナーモチベーション診断を作ったのもよかったです。それによって自分の「探究・研究したい」という本質を活かすと元気になれることに気づきました。「金属タイプ」(整理効率化したい)については、ここを意識しすぎると真ん中が潰れてしまうので、あまり意識しすぎず、でも時々使うという感じで活かしています。コツ2:下位タイプを避けるためのポイント下位タイプを避けるというのは、自分が元気なくなることを避けるということです。多くの人は、数十年生きていれば自分が何で元気がなくなるか理解していると思います。そういう時は、「経営者たるもの」とか「常識」とか「こうあるべき」といった外側の声に最適化するのではなく、自分の声をちゃんと聞いていくことが大切です。私の場合、「1人で静かに、1人家に引きこもりたい」という欲求が全然ないので、引きこもらないようにしています。また、「乗り越えていきたい、安定・コツコツしたい、修行したい」という欲求もないので、そういうエネルギーの使い方をしないようにしています。さらに、「いろんな人を巻き込んで新しい時代を作っていきたい」という欲求もあまりないので、直近は「1人社長スタイル」でやっています。コツ3:周りと共創するための実践方法最後の「周りと共創する」ですが、これが一番大事です。「経営メンバーなんだから、もっと見て!」といった感じで、経営チームや経営メンバー、リーダーやマネージャーに期待してイライラするという人は多いと思いますが、役割や責任に固執せず、共創・協力していくことが大事です。例えば、自分が「金属タイプ」(整理効率化したい)がない場合は、そういう整理したくてしょうがない人に任せたり、今ならChatGPTでかなりロジカルな整理ができるのでそれを使ったりすることができます。また、周りの人があまり新しいアイディアを出すのが得意でなくて、自分の方がいいアイディアを出せる場合は、そこは得意なことを手伝ってあげればいいのです。「新しいアイディアを出すのは得意で好きだから、よかったらミーティングに呼んでもらえればサポートするよ」という形で、責任や役割を超えて協力していくことで、チームのストレスは減りやすくなり、自分も人に貢献できて嬉しいと感じやすくなります。これが一番大事だと思っています。PART4:質疑応答編 よくある質問にお答えします最後に、よくある質問にお答えします。Q:フェーズによってインナーモチベーションは変わりますか?とても変わると思います。私もフェーズによって意識するインナーモチベーションが変わることもありますし、「昔はこっちを意識したら楽しいと思っていたけど、今はこっちの方が楽しい」となることもあります。時代も環境も事業も変わると、強いか弱いかの感覚も変わるものです。そこは全然変わっていいし、むしろ変わってOKと思っておくといいでしょう。Q:インナーモチベーション診断はMBT診断や他の診断とどう違うのですか?MBTI診断を受けたことがある人も多いと思いますが、あれは人と人との相性の文脈で語られることが多い診断だと思います。「何とかタイプと何とかタイプは相性がいい」というように使われることが多いです。ストレングスファインダーもありますが、あれはスキルや強みについての診断で、数字や成果を上げるためにどういうスキルや強みを使うべきかという、外側の世界にいかに自分を合わせるかという文脈で使われます。それに対して、インナーモチベーション診断は自分の声をいかに聞くかという、自分と対話するためのツールとして使っています。外の世界に合わせすぎて疲れてしまった人や、自分の本質からずれてしまった人が、自分に目を向けて「自分は何が本当はしたいのか」というところに目線が向くようにするためのきっかけとして作りました。人との相性を見るためのものでもなく、外側の世界でどう生きるかだけを考えるためのものでもなく、内発的動機を活かして生き生きわくわくするためのものなので、一番直球で役立つのがインナーモチベーション診断だと思っています。Q:過去に支援してきたクライアントさんではどんな変化がありましたか?具体名は出せませんが、直近の12月末くらいから支援している経営者さん・インフルエンサー起業家さんがインナーモチベーション診断を活用していて、2024年に「戦略を立てよう、計画を立てよう、分析していこう」という形で「金属タイプ」に引っ張られすぎて元気がなくなってしまった方がいました。この方は「雷タイプ」(ひらめきをどんどん形にしていきたい)と「雲タイプ」(点と点を繋げて新しいアイディアを作っていきたい)が強いタイプだったので、「あまり家に引きこもらず、戦略や計画、目先のロジカル課題解決を無視して、とにかく外にお出かけしてください、お散歩してください、新しいカフェに行ってみてください」とアドバイスしました。すると、新しいアイディアやひらめきが降りてくるようになり、めちゃくちゃ元気になっていったんです。不安解消からくるロジカル課題解決に向かいがちだった方が、「生き生きわくわくすることを優先していけばいいんだ」と気づいて変化していったというケースがあります。エネルギーが下がるものを排除して、自分の生き生きわくわくの感覚を取り戻すという世界観は本当に大事だと思います。Q:自分の内なる声を聞くのはなぜ重要なのですか?これは哲学的な問いですが、結局、人生を充実させるときに、お金がめちゃくちゃあれば充実するかというとそうでもなくて、本人がやりたいことをやっているときが充実していて幸せ感があると思います。物質的に豊かな時代だからこそ、精神的な豊かさも両立したいという人はこれからもっと増えていくでしょう。SNSが普及して知識が広がり、AIが普及してロジカルな課題解決や壁打ちがしやすくなった時代だからこそ、最終的に幸せに直結するものは何かというと、外側にどう適合するかではなく、自分がやりたいことや実現したい世界観を追求することなのではないかと思います。そのため、私はこの診断コンテンツを作ったり、経営者さんのサポートをする中で、外側に合わせすぎて自分の心が見えなくなっている人の心の整理をサポートしています。自分の幸せな人生を取り戻すために、この内なる声はすごく重要だと思います。Q:起業家・インフルエンサー・経営者以外にもこの診断は応用できますか?もちろんイエスです。一般の社員やマネージャー、管理職の方もこのインナーモチベーション診断を活かせます。この診断を作るときも、私が直接・間接的に見てきた30人のメンバーの中で「この人はこういうインナーモチベーションが強かったな」というのを思い出しながら作りました。よく覚えているエピソードとして、2020年頃に採用したメンバーの1人で、「私は未整備のものを整備するのが大好きです」と面接で言って入社してくれた女性メンバーがいました。本当にそういう欲求を持った人に、Excelやスプレッドシートの整理、ワークフローの整理をしてもらうことが大事だと思いました。メンバーレベルでも、その人の欲求がスキルや実績よりも伸びしろに関わると思います。例えば「整理・効率化したい」という欲求が強い人には、今ならAIのプロジェクトを任せるといいでしょう。AIを使って整理効率化していくことを任せると、AIを活用するスキルがなくても、インナーモチベーションを使ってどんどん情報を吸収し、軌道修正して新しい価値を生み出していけるでしょう。この診断コンテンツは経営者向け・起業家向け・インフルエンサー向けとして作りましたが、社員のインナーモチベーションを引き出して自覚させ、それに沿ったミッションや目標を設定することは重要です。内発的動機づけについての情報はまだあまり多くないですが、今後そうした世界観を広げていきたいと思っています。まとめ:内なる声を聞くことで人生と経営が変わるここまで聞いて、「自分の内なる声とか結構聞いてなかったな」とか、「ロジカル優先しすぎて自分の本質からずれていたな」とか、「責任感が強すぎて自分の感情や感覚を無視していたな」と感じる人もいるかもしれませんが、大丈夫です。私も昔はそうでした。どういう人でも、このインナーモチベーション診断を受けることで変わりやすくなります。今日お話ししたインナーモチベーション診断をきっかけに、皆さんの人生や経営に何か新しいものが生まれたり、新しいことがスタートするきっかけになればと思います。自分の内なる声を聞くという行動は、人生にすごくインパクトがあると思いますので、この診断コンテンツがその内なる声を聞くきっかけになればうれしいです。