こんにちは、元上場企業役員・エグゼクティブコーチの野中祥平です。M&Aした赤字事業を5年で売上1億→10億に成長させた経営経験を元に、事業と組織の両面から中小・ベンチャー企業の経営者・No.2・一人社長のサポートをしています。不在にする日も、引継ぎの担当者も決まっている。それなのに、本当に休める気がしない。今日は、私が役員として約2か月の育休を取る前に、コーチとどんな準備をしていたかをお話しします。 同じように悩んでいる方が、ご自身の状況を考えるヒントになったら嬉しいです。私は上場企業のトレンダーズ株式会社で、2023年まで執行役員として事業を統括していました。担当していたのは、美容SNSメディアMimiTV(現在MimiBeauty)。M&A後の事業再建から、商品開発、営業、組織づくりまで関わってきました。育休や長期不在に向けて、仕事の一覧を作った。担当者も書いた。それでも、実際に自分がいなくなったときに会社が回るのか、不安が残る。その不安は、引継ぎ表の項目を増やすだけでは解消しないかもしれません。仕事を渡すことと、その場で判断できる状態を作ることは、少し違うからです。私は役員として、2022年に約2か月の育休を取りました。その準備でコーチングを使い、誰に何を任せるかだけでなく、自分がいない状態をどう試すかを考えていました。この記事では、その経験をもとに、不在前に整理したいことを説明します。私は、不在の数か月前から準備していたチームごとに、渡せる段階が違っていた当時の事業には約20人のメンバーと三つのチームがありました。すでに任せやすいチームもあれば、これから責任を渡していく必要があるチームもありました。全員に同じタイミングで同じ範囲を渡す、という話ではありませんでした。コーチとの対話では、それぞれの状況を見ながら、育休までにどんな状態を作るかを考えていました。担当者の名前だけでなく、どこから任せ、どんな経験をしてもらうかがテーマになります。年間の計画を考える段階から、責任を渡していった不在中の作業だけを任せるのではなく、予算や年間の動きを考えることにも関わってもらう。そうすると、何のためにその仕事をするのか、どの数字や課題を見るのかを、本人が持ちやすくなります。私の経験では、こうした準備が、日々の仕事を代わりにやってもらうだけの引継ぎとは違う意味を持ちました。自社で同じ方法が合うとは限りませんが、仕事の背景や判断の目的まで渡せているかは、確認する価値があります。引継ぎ表に書いた担当者は、どこまで決められるか作業の担当と、判断する権限を分けるたとえば、顧客への対応を担当者に渡しても、条件変更はすべて自分の承認が必要なら、不在中にも確認が戻ってきます。会議の進行を任せても、優先順位を決める人がいなければ、結論は保留になります。こうした場合に必要なのは、仕事の名前に加えて、どの範囲を担当者が判断できるかを話すことです。通常の判断は誰がするか、例外は誰に相談するか、意見が割れたときはどうするか。業務一覧だけでは見えにくい境界を確かめます。相手が、引き受けたつもりの範囲と合っているか自分は「全部任せた」と思っていても、相手は「実務だけ担当する」と理解しているかもしれません。不在に入ってからその違いが見つかると、双方が困ります。任せたいことを説明した後、相手がどう理解したかも聞いてみてください。どこまで自分で決めるつもりか、何が不安か、どの支援があれば進められるか。引継ぎは、伝え終えたかだけでなく、受け取る側と合意できたかで見たいところです。本番の前に、小さな不在を試す私が行ったのは、金曜午後にいない練習2022年1月から、金曜午後に自分が不在になる形を試していました。いきなり2か月いなくなる前に、短い不在の時間を作り、自分抜きでどう判断や相談が進むかを見るためです。これは、ただ休む練習というだけではありません。自分がすぐ答えないと、どこで困るのか。メンバー同士で相談できることは何か。別の判断者につなぐ必要があることは何か。実際に起きたことを見て、準備を直せます。うまく回らなかったことが、引継ぎの材料になる試してみて確認が集中したら、失敗と決める前に中身を分けます。情報がなかったのか。権限が曖昧だったのか。担当者が決めてよいと思えていなかったのか。連絡先がわからなかったのか。原因が違えば、必要な準備も変わります。資料を追加すればよい場合もあれば、役割の合意が必要な場合もある。小さな不在で出てきた具体的な場面は、本番前に整えるための大事な情報です。不在中に連絡する条件も、話しておく「困ったら連絡して」と言うだけでは、相手はどこまで相談してよいか迷います。何でも連絡が来ることもあれば、遠慮して重要なことが伝わらないこともあります。通常の相談先、緊急時の判断者、自分に連絡する条件、確認するタイミングを分けておくと、双方の期待が揃いやすくなります。特に、事業全体や会社としての判断は、誰が持つのかを明確にしたいところです。私の場合も、上位の経営判断を相談する経路や、必要に応じた対話の支援を考えていました。自分が何でも受ける前提から、内容に応じて頼れる先を整える発想です。ただし、連絡を完全になくすことだけが成功ではありません。事業や家庭の事情、本人の希望に合わせて決める必要があります。大切なのは、連絡の有無を曖昧な気遣いだけに任せないことです。戻った後、同じ仕事を全部取り戻すのか不在前の準備では、復帰後の自分の役割も考えておきたいと思います。相手ができるようになった仕事を、戻った瞬間に全部自分へ戻すのか。それとも、新しく任せられた範囲を残すのか。私自身、育休とその準備を通じて、自分が次に担う役割について考えることになりました。不在は、一時的に穴を埋めるためだけでなく、役割を更新する機会にもなります。もちろん、戻ってから初めてわかることもあります。あらかじめすべてを決めるより、復帰後に何を振り返るかを予定しておく方法があります。任せてみた側と、受けた側の両方から、続けることと直すことを確認します。不在までに間に合わない準備を、どう扱うか期日までに、理想の体制が全部整うとは限りません。その場合は、間に合わないことを曖昧にせず、暫定的に誰が持つか、いつ改めて見直すかを決めます。恒久的な役割と、一時的な対応を分けておくためです。不安が残ることを、そのまま休めない理由にすると、準備の終わりがなくなります。何が最低限必要で、何は不在中や復帰後に見直せるかを、関係者と確認してください。本人だけで安心の基準を抱えず、実際に仕事を受ける人と合意することが大切です。相手の理解を確認する際は、こちらの説明を繰り返してもらうだけでなく、迷いそうな場面を一つ一緒に考える方法があります。その場面で誰が何を判断するかを話すと、まだ曖昧な境界が見えてきます。資料の完成度より、実際に使える合意になっているかを確認するためです。YouTubeでも、コーチと一緒に実体験を話しています「AI時代のコーチングラジオ」では、私と、2020年から私のコーチを務めるまいまいさんが、受け手側の実体験も交えて話しています。今回のテーマが気になった方には、「役員として約2か月の育休を取るまでの準備」の回も参考になると思います。対話の雰囲気や、言葉になるまでのやりとりも、ぜひ聴いてみてください。%3Ciframe%20width%3D%221280%22%20height%3D%22720%22%20src%3D%22https%3A%2F%2Fwww.youtube.com%2Fembed%2FL7MAMTQrLXg%22%20frameborder%3D%220%22%20allow%3D%22accelerometer%3B%20autoplay%3B%20encrypted-media%3B%20gyroscope%3B%20picture-in-picture%22%20allowfullscreen%3D%22%22%3E%3C%2Fiframe%3Eこの回で話していること・新婚旅行でも仕事をしていた頃・チームごとに進めた引継ぎと権限委譲・金曜午後の不在から始めた準備未解決の経営課題を、次の一歩へ私は、中小・ベンチャー企業の経営者・No.2・一人社長の「未解決の経営課題TOP5」を見える化し、「任せ方・育て方・動かし方」まで決めて、実行速度を10倍にするエグゼクティブコーチングを提供しています。私自身が上場企業役員時代にM&A買収した赤字事業を5年で10倍成長させた時、色々な失敗をしました。顧問もコンサルも頼りました。コーチングも受けました。その過程で学んだこと、自己犠牲しがちな自分自身がコーチングを受けて自己変容してきた経験、そして経営者を支援する中で得た気づきや学びをこのブログでシェアしています。同じ苦しみや悩みを知ってショートカットしてもらい、自分の本音や違和感に気づいて軌道修正がしやすい経営に少しでも近づいてもらえたら嬉しいです。経営課題TOP5を、一緒に整理しませんか現在抱えている経営課題TOP5を整理する「エグゼクティブコーチング初回体験セッション」へ、この記事を読んでくださった方限定で無料ご招待しています。毎月5名限定のため、体験してみたい方はぜひお申し込みください。