よくある経営セオリー「選択と集中」って今の時代に本当にあってるのかな?AI時代に適したより柔軟な考え方ってないのかな?そんな経営者やビジネスリーダーの方に、この記事を読んでいただきたいと思います。こんにちは、エグゼクティブコーチの野中祥平です。「選択と集中が大切」と言われて息苦しさを感じている経営者・ビジネスリーダー必見。多くの経営者が「選択と集中」という固定観念に縛られて成長機会を逃している中、なぜ一部の経営者だけがAI時代の変化に柔軟に適応し、想定外の成功を手にしているのか?赤字事業を5年で10倍成長させた実経営経験を持つエグゼクティブコーチの野中が、従来の経営セオリーの限界と、新時代に必要な「発散と収束」思考法を実体験と共に公開します。この記事で学べること✅ なぜ「選択と集中」が現代経営の足かせになるのか?✅ AI時代に2年も差がつく「種まき思考」の重要性✅ 「発散と収束」で事業転換に成功した具体的プロセス✅ 今日から実践できる「軌道修正し続ける経営」の3つのコツ✅ 変化を恐れず「自然からのメッセージ」を受け取る方法✅ コーチングを活用した戦略的思考整理術スリーセンテンス要約従来の「選択と集中」は限られた資源を効率化する考え方として有効だが、変化の激しいAI時代には逆に身動きが取れなくなる足かせとなる。新時代には「発散と収束」のプロセスで複数の種を撒き、フィードバックを受けながら軌道修正し続ける柔軟性が重要。固定的な戦略よりも、違和感センサーを鋭敏にして動的に適応し続ける経営が求められている。「選択と集中」が経営を停滞させる本質的理由━━━━Q: 経営者なら誰もが聞く「選択と集中」ですが、なぜ問題があるのでしょうか?野中:実は僕自身、この「選択と集中」という考え方に縛られて、かえって成長機会を逃しそうになった経験があります。「選択と集中」は確かに、限られた経営資源を使って最大の生産性を生み出すという点で合理的な考え方です。成長前提の資本主義時代、つまり比較的予測可能な時代には確実に効果的でした。でも今はどうでしょう?2023年にChatGPTが一般公開されてから、わずか1年でビジネス環境は激変しました。僕が関わっている経営者の中でも、2023年からAIの種まきを始めた方と、2025年から始めた方では、もう1〜2周の差がついているのが現実です。━━━━Q: 具体的には、どんな問題が起こるのでしょうか?野中:最大の問題は「決めたことを絶対に守る」という固定的思考に陥りやすいことです。一度「これに集中する」と決めると、途中で違和感を感じても「いや、決めたことだから」「ブレちゃダメだ」と思考停止してしまう。特に真面目な経営者ほど、この罠にハマりやすいんです。でも変化の激しい時代において、最初に立てた戦略が1年後も有効である保証はどこにもありません。むしろ、市場の動き、テクノロジーの進化、顧客ニーズの変化に応じて、常に軌道修正し続ける柔軟性の方が重要になってきています。「選択と集中」の3つの限界限界1: 変化への対応力不足 固定的な戦略では、想定外の市場変化に対応できません。AI、SNS、働き方改革など、予測困難な変化が次々と起こる現代において、一点突破型のアプローチは危険です。限界2: 機会損失の増大 「集中する領域」以外のチャンスを見逃してしまいます。特にイノベーションは、既存の枠組みの外から生まれることが多いため、視野を狭めすぎると成長機会を逸してしまいます。限界3: 組織の硬直化 「決めたことは変えない」という思考が組織全体に浸透すると、現場からの違和感や改善提案が上がりにくくなります。結果として、組織全体の適応力が低下してしまいます。✉️同じような悩みを抱える経営者に向けて、メンタルマネジメントや思考整理のヒントを週2回配信中です。登録無料で、最新記事をお届けします。実体験から見える「発散と収束」の威力━━━━Q: 野中さんご自身は、どんな体験をされたのですか?野中:僕の会社NonaCanvasでの事業転換が、まさに「発散と収束」の成功例でした。2023年4月に独立した当初、僕は典型的な「選択と集中」思考でした。「インフルエンサー専門ビジネスコーチ」というニッチなポジションで独立したんです。紹介してもらいやすく、自分の経験も活かしやすいと考えていました。でも2023年後半、「あれ、経営者のサポートってすごくやりがいあるかも」と気づいた瞬間があったんです。普通なら「今はインフルエンサー支援に集中でしょ」と可能性を無視していたと思います。━━━━Q: そこからどう行動されたのですか?野中:ここで僕がやったのは、「選択と集中」ではなく「探索モード」でした。実際の時系列をお話ししますね。2023年年末:定期的に受けているコーチングの中で「なんかインフルエンサー支援に特化するのってもったいないかも」という内なる声に気づきました。2024年2月:たまたま知り合った経営者の方に「あなたの役に立てると思うのでぜひサポートさせてください!」と自分から営業してみたんです。2024年3月:複数の経営者のサポート機会が生まれました。ご支援する中で経験値がたまり、「あ、才能や情熱溢れる経営者さんがなぜ元気がなくなっちゃうことがあるんだろう?」という疑問と気づきがたまってきました。2024年4月〜9月:インナーモチベーション診断の開発、経営者メンタル2.0の執筆などコンテンツ制作と顧客サポートに集中しました。この期間、普通なら「そうはいっても新規契約取りたいよね」となったかもしれませんが、「まあ今ワクワクしてコンテンツ作りとお客様サポート楽しんでるし、今すぐ営業活動強化しなくてもいいか」と割り切って、自分のワクワクを追求していました。━━━━Q: 収束のタイミングはいつでしたか?野中:2024年10月:経営者向けのエグゼクティブコーチとして方向性を正式に確立しました。この約1年半のプロセスを振り返ると、最初の内なる声に気づいてから、小さな実験を重ね、経験値を蓄積し、気づきの深さが十分になったタイミングで収束判断をしたということになります。この経験から学んだこと「発散と収束」のプロセスがあったからこそ、想定外の成長機会に出会えました。最初から計画できるものではなく、種まきして、実験して、現場の気づきをフィードバックとして収集して、ようやくたどり着いた道筋だったんです。AI時代に必要な「発散と収束」思考法とは?━━━━Q: 「発散と収束」とは、具体的にどんな考え方なのでしょうか?野中:植物を育てる時を想像してみてください。最初からひとつに絞るのではなく、たくさん種を撒いて、芽が出たものの中から選抜していきますよね。経営も同じなんです。「発散と収束」とは、まず複数の可能性に種を撒き(発散)、フィードバックや成果を見ながら徐々に方向性を絞っていく(収束)プロセスのことです。重要なのは、この「発散と収束」が一回限りではなく、継続的に繰り返されることです。収束した後も、また新たな発散のタイミングが来る。これが「軌道修正し続ける経営」の本質です。「経営者メンタル3.0」的アプローチ僕が最新著書『経営者メンタル3.0』で提唱しているのは、西洋的なロジカル思考と東洋的な全体調和思考を統合するアプローチです。従来の「選択と集中」は西洋的なロジカル思考の典型例。一方で「発散と収束」は、自然界の営みから学んだ東洋的な調和思考を含んでいます。━━━━Q: 実際のビジネスで、どう活用すればいいのでしょうか?野中:例えば、AI導入を考えている経営者の場合:従来の「選択と集中」アプローチ「ChatGPTを導入する」と決めるそこにリソースを集中結果が出るまで継続新しい「発散と収束」アプローチAI関連の複数のツールを小さく試してみる社員の反応や実際の効果を観察手応えのあるものに徐々にリソースを集中定期的に見直しと新たな実験を継続このアプローチなら、想定外の発見や機会を逃すことなく、かつ効率的に進化し続けることができます。今日から実践!「発散と収束」経営の3つのコツ━━━━Q: 具体的には、どこから始めればいいのでしょうか?野中:僕が実践している「発散と収束」のプロセスを、3つのコツとしてお伝えします。これらは今日からでも始められる実践的な方法です。コツ1:意識的な「種まき期間」を設ける━━━━Q: 「種まき」って、具体的にはどんなことをすればいいんでしょうか?野中:重要なのは「重くなりすぎないこと」です。大きな意思決定や大きなリソース投下ではなく、小さく試してみることが大事なんです。小さく試すの実践例詳しい人に話を聞いてみる今までの自分たちならやらなそうなことをやってみる新しい業界のイベントに顔を出してみる気になるサービスを実際に使ってみる僕の場合、2024年4月に「なんか宇宙とか科学とか気になる」と思って、日本科学未来館に行ってみました。その後、インナーモチベーション診断の開発アイデアが降ってきたんです。前提条件:余白を作っておく種まきで最も重要なのは、新しい実験や種まきができる「余白」を事前に作っておくことです。スケジュールも予算も人的リソースも、常に100%使い切っていては、新しいチャンスが来ても対応できません。コツ2:「違和感センサー」を鋭敏にする━━━━Q: 種まきした後は、どうすればいいのでしょうか?野中:種まき期間は「転がすこと」を意識するんです。実際に新しい意識で新しい行動をすると新しい体験が起きて、新しい気づきが発生します。その気づきを流さず、仲間と対話したり、コーチと話したりして「気づきを育てる視点」を持っておくことが大事です。僕が上場企業時代に担当していた美容SNSメディア「MimiTV」の事業再生でも、この「違和感センサー」が重要でした。当時、1日4時間Twitterをいじる美容オタク社員がいて、その子が営業現場でクライアントと話す中で「ここにチャンスがある」「ここに違和感がある」という生の声を吸い上げてくれていました。違和感を察知する3つのポイント社員の表情や発言の変化:「最近なんか元気ないな」「前と違うこと言ってるな」顧客からの微妙な反応:「ありがとうございます」の温度感の変化数字に表れない現場の空気:会議の雰囲気、チームの一体感大切なのは、これらを「自然からのメッセージ」として受け取ることです。社員の休職や離職、案件トラブルなども、すべて軌道修正のヒントなんです。コツ3:定期的な「俯瞰と収束」のタイミング設定━━━━Q: 収束のタイミングは、どう判断すればいいでしょうか?野中:ここはロジカルと直感を統合して判断するところです。「なんかいけそうな気がする」みたいな体感や直感も大事。とはいえロジカルに計画に落とし込んだり、人に説明できるように言語化することも大事なんです。僕のNonaCanvasの場合、約1年半の実験期間を経て、2024年10月に正式に「経営者支援」に特化しました。この期間で:2024年2月〜3月:複数の経営者との対話体験2024年4月〜9月:インナーモチベーション診断の開発と検証、経営者メンタル2.0執筆経営者特有の課題への理解深化自分自身のワクワク感の確認これらの「気づきの経験値」が十分に蓄積されてから、収束の判断をしました。収束判断の3つの基準市場からの明確な反応:顧客満足度、リピート率、紹介率自分自身のエネルギー状態:ワクワク感、持続可能性、成長実感チーム全体の一体感:メンバーの理解度、協力体制、方向性への共感重要なのは「今すぐ決めなければ」というプレッシャーに負けないこと。特に変革が求められる時期には、「余白」を持って判断することが大切です。📖 AI時代だからこそ重要になる「西洋的なロジカル思考×東洋的な調和思考」の統合思考について、『経営者メンタル3.0』で23の実践アクションと合わせて詳しく解説しています。よくある質問|「発散と収束」経営の実践で迷うポイント「選択と集中」で伝えたくなる時のポイント━━━━Q: ビジョンプレゼンのように全社に対して方向性を示す必要があるタイミングでは、どうしても「我が社はこれに集中します!」って言いたくなります。でも明確に発散と収束を試すべきタイミングの時はどうすればいいでしょうか?野中:変革していくタイミングでは、自信のない戦略を発表するより、実験しながら模索するみたいなスタンスを正直に言った方がいいと思います。もしくは抽象的だけど「AIとの掛け算」みたいな変革テーマだけ設定するとかでもいいと思います。大事なのは自分と一致したエネルギーで表現をすることです。社員にはいずれそのエネルギーはばれますし伝わります。であれば一緒に成長していこう、一緒に模索しよう、みたいな発散と収束の考え方自体を伝えてあげて、社員の疑問に答えてあげた方がいいと思います。「選択と集中しないの?うちの社長は」って型にはめて聞いてくる社員に対して、「発散と収束」という考え方をお伝えすると、社員の人も余白の範囲内で新しい実験をしたりAI活用の可能性をディスカッションしやすくなったりします。発散しすぎて、脳内がとっちらかった時のポイント━━━━Q: 発散し続けて、収束できない場合はどうすればいいでしょうか?とっ散らかってる場合の対処法を教えてください野中:コーチングを受けるのがおすすめです。なぜかというとコーチは利害関係のない第三者で冷静な客観視を促してくれるからです。「今何が気になってるんですか?」「その気づきって1年後どんな形に育ってたら理想なんですか?」「その気づきを次のアクションに落とし込むには、何から考えたらいいと思いますか?」など、未知の領域、未来の時間軸と現在の行き来を手伝ってくれます。そうやって、感覚、直感、違和感を含む吐き出しをしながら、戦略、計画に落とし込むことができるのは外部のコーチを活用した時にもっともやりやすいです。仲間だとどうしても現状に引っ張られます。家族だと共有できる文脈が弱く的外れな会話になりやすい。先輩経営者に相談しても、すぐアドバイスされてしまい自分の気づき・違和感・直感をさらけ出せずに終わるみたいになりやすいです。必要なのは励ましでもなく、目先のアドバイスでもなく、知識でもなく、「自分の内側に深くもぐること」なんです。そういうサポートはコーチング以外の形式(顧問、アドバイザー、コンサル)などではなかなか期待しにくいのが現状です。「軌道修正し続ける経営」で未来を切り拓く━━━━Q: 最後に、読者の方にメッセージをお願いします「選択と集中」というのは、確かに限られた経営資源を効率的に使うという点で合理的な考え方です。でも、それが絶対的な経営セオリーかというと、そうとも言い切れません。特にAI時代の今、変革が求められる時期には、「選択と集中」が逆に変革の妨げになる可能性があります。僕自身の経験からも、「発散と収束」のプロセスを意識的に取り入れることで、想定外の成長機会に出会えることがわかりました。現代に必要なのは「決めたことを絶対に守る」ではなく、「常に軌道修正し続ける柔軟さ」です。もし今、経営判断に迷いを感じていたり、「選択と集中」の重圧を感じているとしたら、それは成長のサインかもしれません。一度立ち止まって、「このイベントに感謝できる未来があるとしたら何だろう?」と考えてみてください。さらに深く学びたい方へこの記事で紹介した「経営者メンタル3.0」について、より詳しく学びたい方は、拙著『経営者メンタル3.0〜西洋的ロジカル思考と、東洋的調和思考の統合〜』をぜひお読みください。書籍『経営者メンタル3.0』で僕が大切にしている4つのキーワードも、ここでお伝えしておきますね:余白:決断を急がず、十分に考える時間を確保感謝:先人・見えない存在とのつながりを思い出す愛情:全ステークホルダーへの愛情ある関わり調和:部分最適ではなく全体調和を重視これらのエネルギーで経営全体を循環させることで、自然と「軌道修正し続ける経営」が実現できるはずです。あなたの中にも、まだ気づいていない可能性の種がたくさん眠っているはずです。それを見つけるためにも、時には「発散」を恐れずに、新しい体験や気づきを積極的に取り入れてみてくださいね。一緒に、愛情と感謝のエネルギーが循環する経営を目指していきましょう。┌───────────────────┐ \この記事を読んだ方におすすめ/ 🗣️ 今すぐ状況を変えたい方 →[体験セッションに申し込む] 📚 体系的に学びたい方 → [書籍『経営者メンタル3.0』を購入] 💌 継続的な学びを求める方 → [メルマガに登録する] └───────────────────┘関連記事経営判断に迷いが生じる本当の理由|ロジカル思考の限界と直感を活かす経営術経営者メンタル3.0がAmazon3部門1位獲得|AI時代の経営者メンタルマネジメント本【実体験レビュー付き】経営者としてコンフォートゾーンを抜け出すコツとは?~探索モードで新しい可能性を見つける方法~ロジカルに考える“最短・最善”が行き詰まったとき、「探索」がブレイクスルーを生む!〜赤字事業を5年で10倍成長させた時の話〜