こんにちは、エグゼクティブコーチの野中祥平(のなさん)です。この記事では、経営者のよくある悩み・失敗・思い込みを取り上げて、どうしたらもっと軽い気持ちで経営ができるか、どうしたら経営を加速できるかという心のヒントをお届けします。今回のテーマは「感謝不足→傲慢経営→イライラや焦りのエネルギー放出しちゃう」というものです。なぜ今、感謝という経営テーマを語るのかというと、現在「経営者メンタル3.0」という書籍を執筆しており、その中で感謝・愛情・調和・余白という四つのキーワードを解説しています。この中で感謝というワードが特に大事なキーワードになるので、今回このテーマを取り上げました。%3Cstyle%3E%20.standfm-embed-iframe%20%7B%20height%3A%20190px%3B%20%7D%20%40media%20only%20screen%20and%20(max-device-width%3A%20480px)%20%7B%20.standfm-embed-iframe%20%7B%20height%3A%20230px%3B%20%7D%20%7D%20%3C%2Fstyle%3E%0A%20%20%20%20%20%20%20%20%20%20%20%20%3Ciframe%20src%3D%22https%3A%2F%2Fstand.fm%2Fembed%2Fepisodes%2F6823f2306ac9b6d1d3537307%22%20class%3D%22standfm-embed-iframe%22%20width%3D%22100%25%22%20frameborder%3D%220%22%20allowtransparency%3D%22true%22%20allow%3D%22encrypted-media%22%3E%3C%2Fiframe%3Eスリーセンテンス要約感謝不足の状態では傲慢になりやすく被害者意識に陥りやすいため、経営者が思い通りにならないことに対してイライラや焦りのエネルギーを放出しやすくなる。良い経営とは全ステークホルダーの間に感謝や愛情のエネルギーが満ち溢れ循環している状態であり、感謝には「行為への感謝」「信頼への感謝」「インフラ環境歴史への感謝」「自分への感謝」「見えない存在への感謝」「原理原則への感謝」という6つのベクトルがある。感謝力を高めるには「定期的なお墓参り」「家に神棚を作って手を合わせる」「感謝日記をつける」「神社への参拝」「お金を払うときに感謝を実践する」という5つのアクションが有効で、これによって業績向上と経営者自身の幸せを両立できる。■そもそも感謝不足だとどうなりやすいのか?感謝不足がもたらす2つの問題感謝不足だと二つの問題が起こりやすいと思います。一つ目は傲慢になりやすいということです。 思い通りにならないことに対してイライラや焦りのエネルギーを放出しやすいというのは、傲慢になりやすい人の結果として現れてきやすいです。二つ目は被害者意識になりやすいということです。 マイナス感情に揺さぶられて、本当は身近な人のサポートがあったり、自分が積み上げてきた会社の歴史があったりするのに、「何でこんなことが起きるんだろう」「どうして私だけがこんな目に...」と感じてしまいます。自分の意識が今の経営の結果を作っているという事実を忘れてしまうんですね。幼稚園で習うことが経営で重要?「感謝も大事だよね」「ありがとうって言いましょうね」って幼稚園や小学生で習うような話であって、経営者が特別意識することではないのかなと思う人もいるかもしれません。でも、これはすごく重要なテーマです。■感謝ってそもそもなんなのか?良い経営とは何か?経営者メンタル3.0という書籍の中で、そもそも経営とはどういうものかというところを定義しています。私が考える良い経営の状態とは、全ステークホルダーの間に感謝や愛情のエネルギーが満ち溢れていて、良いエネルギー循環が起きている状態です。ステークホルダーとは、経営者自身はもちろん、社員、お客様、パートナー企業、社員やお客様の家族、さらには国や社会、地域までを含みます。これらのステークホルダー間の矢印が感謝や愛情で満ち溢れていると良いのです。「この人に価値を届けたいな」「ここで働けてすごくありがたいな」「こういう会社を経営できることがありがたいな」「こういう感謝を受け取れて嬉しいな」といった気持ちのエネルギーが循環している状態が理想的です。限定的な感謝の罠この感謝というものが実は曲者です。多くの人(私も以前はそうでした)が、限定的な感謝しかしていません。何かをしてもらったときだけに「ありがとう」と言うような表面的なレベルにとどまっているのです。盲点となりやすいのは「自分自身への感謝」や、行為以外に対する「環境や存在への感謝」です。こういった広い意味での感謝を意識できていない経営者が多いんです。感謝とは、ありがたいと思う気持ちや、恵まれているなと思う気持ちです。そしてこの感謝には、6つのベクトル(方向性)があります。感謝のエネルギーをどういう方向に、どういう気持ちで向けるか、6種類の形があるのです。■感謝というエネルギーの6段階のベクトルとは?1. 行為への感謝一つ目は行為への感謝、つまり「何かしてくれてありがとう」というものです。これは最も基本的な感謝です。誰かが何かをしてくれたときに感謝する、一番当たり前のことです。経営者なら社員が働いてくれることへの感謝、お客様に商品を買ってもらうことへの感謝などが当てはまります。例えば、社員が働いてくれてありがとう、成果を出してくれてありがとう、お客様が取引してくれてありがとう、といった行為への感謝です。一番基本的でベーシックなものです。2. 信頼への感謝二つ目は信頼への感謝、これは「いつもありがとう」というようなセリフに表れるものです。これは特定の行為ではなく、存在自体や継続的な関係性に対する感謝です。パートナー企業との長年の取引や、長く一緒に働いてくれている社員への感謝がこれにあたります。ここになると傲慢さは少し減ってきます。「この人がいてくれるおかげで会社が成り立っている」「普段から頑張ってくれているおかげで日々会社が回っている」といった、瞬間的ではなくもう少し長い時間軸での感謝です。3. インフラ環境歴史への感謝三つ目は、インフラ環境歴史への感謝です。「恵まれているな、ありがたいな」という気持ちです。これは目に見える環境や歴史的背景への感謝になります。例えば、水道水があること、電気が使えること、この土地でビジネスできていること、先代が築き上げた業界基盤があること、会社の歴史を支えてくれた人への感謝などがこれにあたります。これは2番目の信頼への感謝よりさらに深く、時間軸も長いものです。「当たり前ではないこと」への感謝というより深いベクトルです。4. 自分への感謝四つ目は自分への感謝です。これは最も見落としがちな感謝です。他の人への感謝はできても、自分自身に感謝している人は少ないものです。自分が積み上げてきた努力、成長してきたこと、気づいて軌道修正してきたこと、過去の自分の決断に対して「よく頑張ってきたね、ありがとう」と伝えるような感謝です。これは意識するのも実践するのも難しく、多くの人が自分への感謝不足に気づけていません。5. 見えない存在への感謝五つ目は見えない存在への感謝です。自分が守られている、導かれているという気持ちです。これはやや精神的・スピリチュアルな側面も含み、ご先祖様への感謝や、守護霊、守護神への感謝などが当てはまります。先祖代々続いてきて命が繋がった結果、今の自分がいるということへの感謝です。こういった感謝を大事にする人は、お墓参りや神社参拝の際に「いつも守ってくれてありがとう」「導いてくれてありがとう」「気づきを与えてくれてありがとう」といった言葉を伝えます。6. 原理原則への感謝最後六つ目が原理原則への感謝です。「現実は自分が作っている」という原理原則に対する感謝です。少し深い視点になりますが、自分の意識次第で現実は変えていけるという考え方です。自分が今経験している現実は、自分の脳が認知したものに意味づけをしているものです。絶対不変の現実はなく、すべて自分の捉え方次第だという考え方です。このような視点から「現実を捉えられるのは自分のおかげ」「今後どういう現実を作るかも自分次第」と感謝します。問題や課題も「自分の成長に必要な経験だ、ありがたい」と捉える感謝の形です。6つのベクトルを知る意味六つのベクトルをまとめると:一つ目が、行為への感謝(何かしてくれてありがとう)二つ目が信頼への感謝(いつもありがとう)三つ目がインフラ環境歴史への感謝(恵まれている、ありがたい)四つ目が自分への感謝(自分に対してありがとう)五つ目が見えない存在への感謝(守られている、導かれている)六つ目が原理原則への感謝(現実は自分が作っているという原理原則に感謝)これらを知ると「感謝って何かしてもらったときに"ありがとう"と言うだけのなんか浅い捉え方をしてたけど、そもそもあることがありがたい、当たり前に感謝するみたいなとこから始まって、なんかいろんなベクトルで感謝できるんだな」みたい感謝というのもいろんなエネルギー、一言で言ってもいろんなエネルギーがあっていろいろなベクトルがあって「もっと感謝してもいいのかも」「もっと感謝できるのかも」みたいに思えるようになります。■感謝不足を回避できる5つのアクションとは?では、実際に感謝力を高めるためのアクションを5つご紹介します。1. 定期的なお墓参り一つ目が定期的なお墓参りです。私も2年前にコーチとして独立してからずっとやっていることです。理想は月1回、最低でも春分と秋分とか彼岸とか盆とか、そういったタイミングにご先祖様のお墓を訪れ、感謝や近況報告をします。これは時間をかけて往復する道のりも、僕は往復すると家から3〜4時間ぐらいかかりますが、ちょっとした余白の時間として活用しています。傲慢になるのを防ぐ効果もありますし、自分が見えない力や導きを受けて今があるということにも気づけます。自分自身への感謝の気持ちを呼び覚ますことにも繋がると思います。2. 家に神棚を作って手を合わせる二つ目が家に神棚を作って手を合わせる合掌するというアクションです。お墓参りがちょっと遠い、行くの大変という人もいると思うので、もっとライトなアクションとして紹介します。自宅に神棚を設けて毎朝起きたときに手を合わせて「今日も1日よろしくお願いします」「いつも守ってくれてありがとうございます」とご挨拶します。これは本当に気軽にやるのがいいと思います。毎日できますし、わずか5秒の時間です。5秒も時間が取れないというのは相当余裕がない状態だと思います。そういう状態は何かが間違っているサインかもしれません。家で神棚を作って毎朝5秒でもいいから手を合わせるのはすごくいいアクションです。感謝を忘れないで済むところから朝をスタートできる形で、経営に繋がりやすいものだと思います。3. 感謝日記をつける三つ目は感謝日記です。毎日5分程度、その日に感謝したことを3つとか5個とか10個とか思いつくだけ書き出します。「これに気付けた、ありがとう」「これがあることがすごくありがたい」など、様々な側面での感謝を意識的に記録するのがおすすめです。これは僕も実践したことがあります。独立が2023年の4月頃なんですが、半年後くらいに結構体調不良で悩まされていました。1歳の息子が保育園に行って風邪をもらってきて、家族全員で体調不良になるという負のループが半年くらい続いていたんです。なかなか思うように仕事ができず、「これもしかしたら感謝不足なのかもしれない」とふと思ったタイミングがありました。そこで感謝日記というより、とにかく感謝をできるだけ書き出す形で600個くらい書き出したんです。クライアントや身近な家族はもちろん、「地球に生まれているのってめっちゃありがたい」「宇宙という存在があることがありがたい」「月があってリズムがあるのもありがたい」など、壮大なものまで含めて書き出しました。そこから不思議と体調が良くなっていきました。もちろん整体に通ったり食事見直したり、息子の早起きが改善されたりといろんな要因もありますが、感謝を見直して600個くらい書き出すことはすごくやってよかったことの一つだと思っています。4. 神社への参拝四つ目は神社への参拝です。定期的に神社を参拝する習慣を持つイメージです。旅行の際に現地の神社を訪れたり、自宅の近くにある氏神様に通ったりする形ですね。僕も毎月1日と15日には氏神様にお参りすることを習慣にしています。「いつも守ってくれてありがとうございます」ということをお伝えしに行っています。神社は日本にたくさんあります。多くの人は年始の初詣や受験など、大きな勝負事のときに「願いが叶いますように」という形でお祈りに行くことが多いと思います。でも、そういう他力本願なお祈りをするときだけではなく、もっと感謝をしたり自分のメンタルを整えたりする、日常的に行く場所として活用すると良いと思います。そうすると傲慢になるリスクが減り、自分の内面と向き合う修行の一環として活用できるでしょう。何で神社行くのかとメリットを考えだすと効率的には見えないかもしれません。でも、自分のメンタルや精神と向き合うために余白の時間を作るという感覚でお付き合いするのがいいと思います。5. お金を払うときに感謝を実践する五つ目はお金を払うときの感謝実践です。一番わかりやすいのはコンビニで買い物をするとき、支払いをするときに感謝の気持ちを持つことです。まず外への感謝として、店員さんに「お買い物させてくれてありがとう」と本気で感謝します。コンビニがあること、この土地にコンビニがあること、商品がラインナップされていること、品切れでなく買える状態にあること、店員さんが働いてくれていることなど、当たり前ではないことに感謝するんです。もう一つ大事なのが、このお金を作り出している自分への感謝です。1000円の食べ物を買うなら、その1000円というエネルギーを作り出したのは自分自身です。このお金を稼げている自分に感謝する、このエネルギーを作り出せた自分に感謝するという形で捉えるといいでしょう。こうすると、お金を「残高が減る、もったいない」という感覚ではなく、「感謝のエネルギーを循環させる」視点で捉えられるようになります。お金のブロックも外れやすくなり、お金を巡らせていく世界観で自分への感謝不足もケアできます。お金を支払うときに外への感謝と自分への感謝、両方を本気で向き合ってみるのはおすすめのアクションです。■まとめ5つのアクションを紹介しました。定期的なお墓参り家に神棚を作って毎朝5秒合掌してみる感謝日記をつける神社参拝してみるお金を払うときに感謝を実践する経営者や経営のテーマとして感謝は「当たり前すぎる」と思われがちです。しかし実は、経営者が自分自身に感謝不足だったり、何かしてもらった瞬間だけの限定的な感謝しかしていなかったりすることが多いのです。感謝で満たされていない経営者、感謝不足になりやすい経営者、傲慢な道に進む可能性が多めな経営者は意外と多いものです。そういった方がイライラしたり焦ったり不安になったりしたときに、感謝のエネルギーではなくイライラや焦りのエネルギーを放出してしまいがちです。これは経営リスクの一つです。傲慢になりたくない人がほとんどだと思うので、感謝不足になりにくいように日頃から意識して感謝と向き合い、感謝のベクトルをいろんな方向に巡らせられるようになることが大切です。感謝との向き合い方を段階的にアップグレードしていくことは、業績向上と自分自身の内面の平穏や幸せを両立していきたい経営者にとって、向き合うべき価値のある、投資すべき価値のあるテーマだと思います。■P.S.今、「経営者メンタル3.0」という本を執筆中で、2025年の5月か6月には完成する予定です。今後も感謝、余白、調和、愛情といった抽象的に感じるかもしれませんが、とても大事なテーマについて解説していきたいと思っています。一番僕がこの本で素敵だと思う世界観は、西洋的なロジカル課題解決思考と東洋的な全体の調和の思考を統合させていくことで、経営者として業績向上と内面の幸せを両立しやすくなるというものです。より本質的な内面の変革、変容によって「10倍加速経営」が実現しやすくなるという思いで執筆しています。この本の完成を楽しみに待っていただけたら嬉しいです。ありがとうございました。