こんにちは、エグゼクティブコーチの野中祥平(のなさん)です。この記事では、経営者のよくある悩み・失敗・思い込みを取り上げて、どうしたらもっと軽い気持ちで経営ができるか、どうしたら経営を加速できるかという心のヒントをお届けします。今日のテーマは「コーチングをただの壁打ち・脳内整理だと思っている」というお話ですコーチングを受けたことがある人もそうでない人も、コーチングに興味がある人もそうでない人にも、「コーチングってただの壁打ち・脳内整理じゃないんだ!」という気づきを与えられたら幸いです。実は私自身が2020年1月からコーチングを受け続けている中で、一つの確信を得たことがあるんです。それを今日はお伝えしていければと思っております。%3Cstyle%3E%20.standfm-embed-iframe%20%7B%20height%3A%20190px%3B%20%7D%20%40media%20only%20screen%20and%20(max-device-width%3A%20480px)%20%7B%20.standfm-embed-iframe%20%7B%20height%3A%20230px%3B%20%7D%20%7D%20%3C%2Fstyle%3E%0A%20%20%20%20%20%20%20%20%20%20%20%20%3Ciframe%20src%3D%22https%3A%2F%2Fstand.fm%2Fembed%2Fepisodes%2F682adf1f972e8eb482d6a946%22%20class%3D%22standfm-embed-iframe%22%20width%3D%22100%25%22%20frameborder%3D%220%22%20allowtransparency%3D%22true%22%20allow%3D%22encrypted-media%22%3E%3C%2Fiframe%3Eスリーセンテンス要約コーチングを「壁打ち」や「脳内整理」としてだけ捉えるのは勿体なく、その本質は愛情である。コーチから愛情を受け取り、成長を応援してもらうことで、経営者の心が成長し、その愛情を組織や社会に循環させることができる。コーチングは単なる問題解決の手段ではなく、コーチから受け取った愛情をベースに、人生の新しい物語をスタートさせるきっかけとなる対人支援業。■なぜコーチングは「ただの壁打ち・脳内整理」だと思われやすいのか?コーチングに対するイメージの一つとして、多くの方が持っているのは「壁打ち」や「脳内整理」といったものではないでしょうか。確かにコーチングを受けると、いろいろ質問してもらうことによって自分が抱えていることを吐き出すことができ、一緒に整理してもらうことでスッキリするという側面があります。私自身もコーチングを始めた当初は、「コーチングを受けると気づきが得やすいな」「意思決定しやすいな」「脳内がスッキリするな」という感想を持っていました。実際、多くの方がコーチングに対してそのようなメリットを感じているでしょうし、それはそれで間違いではありません。しかし、コーチングをただの壁打ちや脳内整理として捉えるだけだと、ちょっと勿体ないなというふうに思うことがあります。なぜなら、それは表面的な部分にすぎないからです。では、コーチングの本当の価値とは何なのでしょうか?そこで私は自分自身に問いかけてみました。「なぜ私は2020年1月からずっとコーチングを受け続けているんだろう?」と。なんで途中でコーチングを辞めちゃう人とコーチングを受け続ける人の差があるんだろう、という疑問が湧いてきたんですね。■私が2020年1月からコーチングを受け続けている本当の理由とは?この問いについて深く考えてみたとき、一つの答えが見えてきました。私がコーチングを受け続けている理由、それはコーチの人から愛情を受け取り、応援されることで、自分の心が成長していけるからなんです。コーチングを受けるとき、確かに表面的には「組織問題について話し合う」「事業成長のために何ができるかを考える」「仕事と私生活のバランスをどう取るかを相談する」といった具体的なテーマについて対話します。でも、見えないコミュニケーションの中で、コーチから「あなたなら大丈夫」「あなたならできる」「あなたならもっと成長できる」「あなたならもっとあなたらしく生きていける」といった愛情を受け取っていたんですね。私がコーチングを受け始めた2020年当初は、確かに組織問題で悩んでいたり、会社をより成長させるための戦略について話し合ったりしていました。でも、半年、1年、2年、3年とコーチングを受け続けていく中で、私自身にどういう変化が起こったかというと、自分の可能性を信じられるようになったんです。自分の遊び心をもっと解放していきたい、探求・研究するという自分の本質をもうちょっと出していきたい、自分のこだわりを形にしていきたい――そんなふうに思えるようになったんです。以前の私は、人のサポートをしたり、誰か思いを持っている人の脇役・サポート役として成長支援をするのが得意で、自分自身にはあまりこだわりがないと思い込んでいた節がありました。でも、コーチが私の可能性を信じてくれて、心の成長を応援してくれて、何でも話せる安心感をくれたからこそ、愛情のエネルギーを受け取り続けていたということに気づいたんです。そして、この愛情をたくさん受け取った結果、今度は私もその愛情を他の人に与えたくなるという循環が生まれていったんですね。■コーチングという対人支援業の本質が「愛情」だと思う3つの理由では、なぜ私はコーチングの本質が愛情だと確信するようになったのでしょうか?その理由を3つお話しします。1)コーチは愛がないとできない職業だからコーチングって、相手の可能性を信じる、相手の成長を信じる、相手の幸せと向き合うという職業なんです。確かにコーチングスクールに行くと、質問のやり方や、どういう質問をすると視点を移動させやすいか、セッションの時間の使い方など、技術的な側面を教わったりします。でも、超抽象化すると、相手の幸せ、相手の成長を信じて関わる職業なんですよね。愛情がなければ、本当の意味でクライアントさんの可能性を信じることはできないし、心からその成長を願うこともできません。2)コーチは安心をくれる存在だから私も今3歳の息子がいるので、子育てと関連するところの話になるかもしれませんが、自分に愛情を持って接してくれる存在、100%自分の成長を願ってくれる存在と話ができると、クライアントの人はすごく安心できるんです。経営者にとって、外向けの自分は強い自分でいなければならないし、内向けの自分もあまりにも不安な本音をそのままさらけ出しちゃうと周りを不安にさせてしまうから、言葉を選んで話さないといけない場面がたくさんあります。でも、愛情を持ったコーチという安心をくれる存在がそばにいると、経営者はその愛情を受け取って、安心して話すことができ、安心して自分と向き合うことができるようになるんです。3)コーチは成長を応援してくれる存在だからコーチングでは確かにいろいろ質問したり、鋭い質問をしたりということもあります。でも、私がコーチングを受け続けていてわかったこととしては、そういう細かいテクニックというよりは、相手が自分の成長を応援してくれて、全てを受け止めてくれるという愛情のスタンスでいてくれると、安心してこそ自分が成長と向き合えるんですよね。この3つの理由から、対人支援業としてのコーチングの本質は愛情であると確信しています。■自分のことを100%応援してくれるコーチがいると、経営者の人生はどうなるのか?自分のことを100%応援してくれて、心の成長を応援してくれるコーチという存在がいると、経営者の人生はどうなっていくのでしょうか?これは私の事例にはなりますが、いくつかの変化をお伝えします。まず、自分の心が成長しやすくなるということがあります。月2回とかコーチングを受けて、安心して自分の状況を話したり、自分のモヤモヤを話したりして、自分の心が成長できるように、自分の幸せに近づくようにコーチの人と対話をするという安心な時間を月に1回とか持っていけると、目先の経営の意思決定や軌道修正がしやすくなるというメリットももちろんあります。でもそれ以上に、たくさんの愛情をコーチから受け取っていくので、自分の心が成長しやすくなるし、自分が自分の心の成長を実感しやすくなります。そして、この受け取った愛情を経営に反映させたり、メンバー育成に反映させたり、組織に反映させたりできるようになります。私の場合は、コーチとして活動を始めたのは2020年からでしたが、そのコーチからたくさん愛情を受け取って、私自身が成長していく、私自身が自分の可能性を信じられるようになった結果、人にもその愛情を与えていく、そういった愛情の循環を回していくようなことがもっとしたくなっていったんです。■コーチングを受けていくと、経営者はどう変化していくのか?経営者がコーチングを受け続けていくことで、どのような変化が起こるのでしょうか?私の経験から言えることは、愛情の循環が生まれるということです。コーチングを受けて、コーチから愛情をたくさん受け取るというコミュニケーションをしていると、経営全体の愛情の循環がよくなっていきます。自分が誰かにこういうことをしてあげたい、この人にこういうふうに成長してもらいたい、この人の成長を応援したい、この組織をより良くしていくことによって業界やクライアント様にこういう価値を与えていきたい――そんなふうに考えられるようになるんです。愛情をたくさん受け取って補充して、その愛情のコミュニケーション体験をコーチという安心できる対話の場でたくさんすればするほど、自分の中の愛情のエネルギー循環がよくなって、結果的に組織の愛情のエネルギー循環もより良くなっていくんじゃないかなと思います。例えば、私の場合は、会社の中で次世代の事業責任者や注力しているメンバーを育てるということに力を入れるようになりました。その人の可能性を信じて、成長が促進できるようなプロジェクトの進め方や、1on1ミーティングの進め方を社内でできるようになっていったんです。これは、「コーチングはただの壁打ち、ただの脳内整理でしょ」と思っている人と、「コーチから応援されてすごく自分の気持ちが良くなって、すごく安心感があって、自分がすごく心の成長ができて、気づけないことに気づけるようになって、すごく経営がいい感じになっていった」という心の成長体験を得るためにコーチングを使っていく人では、全然その未来の結果が違うし、コーチングから得られる価値も違ってくると思っています。まとめ:愛情のエネルギー循環を回していこうここまでお話ししてきましたが、まとめとしては、自分の可能性を信じて成長を応援してくれるコーチから愛情を受け取って、自分の経営や人生の愛情の全体のエネルギー循環をより良くしていくという姿勢でコーチングを捉えるのが良いのではないかと私は思っています。コーチングにもいろんな流派がありますし、どういう場所でコーチングを学ぶか、自分がどういうコーチとして生きていくかなど、無限のパターンがあるので、いろんなコーチがいると思います。でも、私は少なくともコーチングという職業は愛がないとできない職業だと思いますし、コーチングを受ける人にとっては、ただの脳内整理・壁打ちにしてしまうと、受け取れる価値が本当に5%、10%という小さなものに縮小してしまうような気がします。コーチと対話するとき、そしてコーチングをどう活用するかを考えるときの少しでも参考にしていただけたら嬉しいです。コーチングは、人生の新しい物語をスタートさせるきっかけになるものとして捉えてもらえたらいいなと思います。そして、経営者として、一人で抱え込まず、愛情に満ちた対話の場を持つことで、自分自身の成長と組織全体の成長を促進していってください。PS:愛情の循環があなたの経営を変えるコーチングを受ける側として5年、提供する側として4年続けてきたエグゼクティブコーチだからこその気づきとして、今回お話しさせていただきました。私自身、最初はコーチングを「問題解決のツール」として使っていましたが、続けていく中で、それが「愛情の循環を生み出すもの」だということに気づきました。この気づきが、私の経営スタイルや人との関わり方を大きく変えてくれました。経営者として日々多くの判断を迫られ、時に孤独感を感じることもあるでしょう。そんなとき、あなたの可能性を信じ、成長を応援してくれる存在がいるということが、どれだけ心の支えになるか。そして、その愛情を受け取った分、今度はあなたが周りの人たちに愛情を与えていく循環が生まれるということが、どれだけ組織や社会に良い影響を与えるか。これからも、コーチとしての日々の気づきや、クライアントさんとのセッションの中で得た学びを、少しでも皆さんとシェアしていければと思います。何かのきっかけになっていたら幸いです。P.S.S. コーチングを5年以上受けた僕の結論私がこんな愛情というテーマが気になっている理由は今、「経営者メンタル3.0」という書籍を執筆しているからだと思います。西洋的なロジカル課題解決思考と、東洋的な全体調和思考をいかに統合していくか、これがテーマです。本書では「余白」「感謝」「愛情」「調和」といった抽象的な概念をいかにビジネス・経営に落とし込むかに挑戦しています。結局気合い・根性・努力だよねというゾス的な世界線で経営をしていくのか、見えない力やエネルギー循環まで意識した世界観で経営をしていくのか。これは経営者自身に委ねられています。だからこそ、「業績向上も、そして自分自身の幸せも犠牲にすることなく両立していきたい経営者」にとっては、この経営者メンタル3.0の世界観が重要になると確信しています。そして、この書籍で愛情というキーワードとも向き合い直したからこそ、僕の中で「コーチングって愛情の対話の場じゃん」という気づきが生まれたのだと思います。脳内整理できますよ〜、すっきりしますよ〜は価値の1つですし、僕もお伝えしてきたことの1つですが、それは表面的にしかすぎないことだったんだなと気づきました。「なんでコーチング受けるとこんなに元気になったり、新しいアイデアがわくんだろう?」と長年疑問でしたが、「ああ、愛を受け取ってたんだ」と言語化ができて非常に腑に落ちました。コーチング受けてない人からするとなんのこっちゃ感はあると思うのですが、5年以上コーチングを受け続けた僕がたどり着いた1つの結論として受け取ってもらえたら嬉しいです。